ミッションが中小企業の経営にもたらす6つのパワー
ミッションファーストの経営は成り立つのか?
企業でも個人でもそうですが、自社や自分の「あるべき姿、望ましい状態」を明確にしたものが「ミッション」です。ミッションを構成する要素は、「存在理由」「立ち位置」「社会貢献」「判断基準」の4つです。
「ミッションよりも業績の方が大事」と語る方もいます。反論はしません。確かに業績が伴わないと企業は存続できません。しかし、業績はどこから生まれるのか?それは社員、外注先、顧客、地域社会などの支持からです。
では支持の源は何か?深く考えると、商品やサービスではなく、考え方や価値観への共感です。それが業績につながります。今回は「ミッションを確立し、実行することで何が起きるのか?」、次の6つのパワーを紹介します。
同じ方向を向き、自分ごとと考え、主体的に動くチーム
1つ目の力は、「関わる人たちを、一つにまとめ、同じ方向に導く」。多様な価値観を持った人たちの集まりが会社です。待遇や条件だけではベクトルは揃いません。ミッションへの共感が社内をまとめる力となります。
2つ目の力は、「仕事を自分ごとと考えて、主体的に取り組む」。世の中が日々変化するいま、すべてを想定したマニュアルは作れません。ミッションに基づき、自ら状況を判断し、行動することが変化への対応力となります。
3つ目の力は、「目指すべき方向への共感で採用できる」。給与や待遇などでは大手に及ばない中小企業は優秀な人材を採用できないのか。うれしいことにミッションへの共感を会社選びの条件に挙げる若い人が増えています。
共感を持った人たちが集まり、経営資源を集中化した経営
4つ目の力は、「経営資源を集中化できる」。上位概念であるミッションを編集したのが個々の事業です。ミッションとつながることで資源の無駄打ちがなくなります。リスク分散の多角化もミッションとの連動が条件です。
5つ目の力は「熱烈なファンを生み出す」。商品やサービスで選ぶ客はもっと良いところがあればすぐに乗り換えます。反面、考え方や価値観への共感は客から応援される存在です。そのつながりは簡単には切れません。
最後の6つ目の力は、「経営者の心が折れない」。どんな経営者でもときには心が折れそうになります。しかし、ミッションがあることで、頭を抱えたくなるような厳しい環境下でも前に進むことができます。
経営者に求められるのは、ミッションの実現を目指す覚悟です
ミッションの持つ6つの力を説明しましたが、一言でいえば、「ミッションは経営の求心力」です。人材はもちろんのこと、事業運営に必要なさまざまな資源を、社内外から惹き寄せる力を持っているのがミッションです。
求心力があることで「働くための動機づけ」が生まれます。人は無意識のうちに「なぜ働くのだろうか」という問い掛けを繰り返します。ミッションが働く理由になることで、社員は自ら動き出し、チームは一体化します。
「ミッションは観念論」といい、目の前の業績向上に取り組む経営者もいます。反面「私たちは自社のミッションの実現のために働く」と宣言し、イキイキと仕事に取り組む経営者もいます。どちらを選ぶかはあなた次第です。
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