小さな市場を選び、深堀りをする・・・例えばミステリー小説専門店を妄想する
取引先の学校法人の監事を引き受けています。昨日は13時から18時まで会計監査の立ち合いでした。とくにやることがあるわけではなく、もう一人の監事の方とあれこれ話しながら立ち会っているのですが、結構疲れます。
疲れが溜まると不思議に本を選びたくなります。この日も帰宅前に自宅近くの書店に立ち寄りました。それほど広くない店内に雑誌、単行本、文庫本、ビジネス書、幼児本、小説など、さらには文房具まで並んでいる店です。
ひと月に10冊近くの書籍を購入しますが、ほとんどはネットか大型書店です。今回も見るだけで購入はなし。ふっと思うのは、街の小さな書店が生き残るにはどうしたらいいのか・・・悪い癖で勝手に妄想したくなります。
小さな会社が大きな市場を選ぶのは同質化競争へつながる
「本・書籍」という大きな市場があります。それを求めるたくさんの「客」がいます。できるだけ多くの客のニーズに応えようとすると、広い売場を確保するか、Amazonのように巨大な倉庫を持つしかありません。
資本力に限りのある小さな店には勝機が見当たりません。ここは考えどころです。本という市場を「品群>品目>品種」で小分けしてみると、相当数に分類できます。さらに作家、年代、国別、出版社などでも分けられます。
細分化された市場のどこを選択するかは、経営者の考え方次第です。当然、顧客ニーズの高い市場を幅広く狙いたくなりますよね。しかし、これらの市場は資本力の勝負になるわけで、小さな書店が選んではいけない土俵です。
大きな市場を細分化し、自分の得意な小さな市場を選択する
僕ならばどうするか?勝手に妄想すると、大きな市場のなかから個人的に好きな「ミステリー小説」という小さな市場を選びます。10代の頃から国内外の作品を読み続けてきたミステリー好きの本領が発揮できる分野です。
マニアックになりすぎると間口が狭くなるので、緩くとらえてソフトミステリー(そんな言葉があるのかな)も扱います。勝手にミステリーテイストの本を選びます。時代小説からもいいでしょう。解説や評論の本もあります。
仕入れは出版社と書店の流通の間に立つ取り次ぎ店から行うのが一般的です。しかし、小さな店には常時一定数の新刊を卸してはくれません。狭いカテゴリーでもあり、結果的には古書+新刊という品揃えになります。
少ない母数でも顧客のリピート率を高めれば売上は伸びる
問題は顧客です。ミステリー小説のファンは少なくないと思いますが、わざわざ店に足を運んでくれるかは不明です。やはりライバルはネット書店かな(現にネットにはミステリー小説専門のECサイトがあります)。
「ウチもECサイトで新規客」と思う前に、大事なのは売上の構造を考えることです。「売上=客数×客単価」ですが、これに「リピート率」を掛けることを考えます。「売上=客数×客単価×リピート率」の仕組みづくりです。
リピート率を高めるには「ミステリーファン」のコミュニティが必要です。リアルが基本でネットを通じたコミュニティは補完機能とします。読書会から初め、作者を囲んでのファンミーティングもやってみたくなります。
小さな市場の選択と深堀り、そしてファンづくりの仕組みの実践
となると、書籍コーナーに加えて、人が集えるコミュニティスペースが必要です。飲食も有料で提供しますが、僕が好きな紅茶だけを出します(珈琲好きにはごめんなさい)。紅茶は結構ミステリーに登場しますので・・・。
妄想はこの辺でやめますが、大事な視点を整理すると「大きな市場を細分化する」→「細分化した市場から得意な市場を選ぶ」→「それを支持してくれる顧客を見つける」→「顧客がリピートしてくれる仕組みをつくる」です。
小さな会社のシナリオとしてこれを伝えたかったのですが、実際にはそう簡単ではありません。小さな市場の選択と深堀り、ファンづくりの仕組み・・その実践事例を紹介するのが下記のブランディングセッションです。
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