成功の再現性は低いけど、失敗の再現性は高い
恥をかきたくない、みっともない姿を見られたくない
4回目の緊急事態宣言が発出中の東京、自粛や制限で社会全体が縮み思考に陥っているように感じる。中小企業のブランディングを支援しているのですが企業も同様。新しいチャレンジを見送る企業の多いこと、多いこと。
人も企業も失敗を避けようとします。でもね、失敗って何だろう。「思っていたことと結果が違うこと」だろうけど、失敗ってそんなにダメなのかなあ。僕の毎日は失敗の連続、失敗の大きな山ができそうなんだけど・・・。
立場が上になると失敗を恐れる傾向があります。社長になった途端に「恥をかきたくない」「みっともない姿を見られたくない」と言い出す。責任感もあるのだろうけど、自分をよく見せたいという気持ちからだと思います。
失敗ではなく、次の行動のための「経験」です
結論を先に語ります。「失敗とは次の行動のための経験」です。世の中には経験しないとわからないことがたくさんあります。負け惜しみではなく「失敗が少ない人生は案外つまらない」、そう思うのです。
もちろん、身を危険に晒すことや経営を破綻させるような経験はNGです。しかし、失敗を恐れてチャレンジしないのは、学ぶ機会を放棄するようなものです。学びがなくなった社長が率いる組織はすぐに劣化していきます。
トーマス・エジソンの言葉「私は失敗したことがない。ただ、1万回のうまくいかない方法を見つけただけ」うまいこと言うなあ。ダメだったと嘆くのではなく、ダメなやり方を学んだと思えたら、次の行動が違ってきます。
失敗の理由から見えてくる、自分の思考と行動の癖
失敗をいい経験に変えるにはコツがあります。文字にするとありきたりに感じられるけど、それは「うまくいかなかった理由を考える」ことです。「ダメだった=経験した」だけでは次のステップに進めるわけがありません。
なぜそうなったのかを考え、そうなってしまうパターンを潰していく。失敗の理由がわかると、次はそこは避けて通る、あるいは失敗しないように通る・・・成功は再現性が低いけど、失敗は再現性が高いのです。
おもしろいことに「こうすると、こうなる」という自分の思考や行動の癖も見えてきます。これって痛い思いをしなければわかりません。だから立ち直りが早い時期にやるべき、歳を重ねるとリカバリーに時間がかかるからね。
失敗という経験から得られる一番の財産は何か?
さらに、失敗することで、自分にできないことがわかります。向いてないことを知ることで進むべき方向が絞られる。これがブランディングにつながります。これが失敗という経験から得られる一番大きな財産かもしれません。
失敗すると周りから「馬鹿だなあ、だから言ったじゃないか」・・・そんな声が聞こえてくるけれども、そんなの勝手に言わせておけばいいだけ。失敗しない経営者は、必ずしもいい経営者だとは思いません。
縮み思考の社会は「失敗しないで無難にいくのが賢い」という風潮を生みます。でもね、これだけでは多様化、複雑化した時代を乗り切るのは難しいと思うのです。「失敗=経験」ととらえ、新しいチャレンジをしましょう。