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仕事をおもしろくするための二つの方法

仕事はおもしろくなく、つまらないものなのか?

ある取引先の社長が「仕事がおもしろくないと感じている社員がいる」と少々嘆いていました。「仕事はおもしろくないが、給料を得るためにやっている」という雰囲気だそうです。どうしたらいいのかと相談を受けました。

1 日に8 時間、1週間で5 日間、1 ヶ月間で22 日間働くとすると、合計176 時間はおもしくないわけです。なかなかしんどい話です。「辞めてもらったら」と伝えようとしましたが、それでは解決にならないので引っ込めました。

で も、本当に仕事はおもしろくなく、つまらないものなのでしょうか?長年働いてきた身としては、「おいおい、それっておかしくないか?」と突っ込みたくなります。自分の時間の約7割がおもしろくないってやっぱり変です。

藤巻幸夫さんの講演で覚えていること

伊勢丹のカリスマバイヤーを経て、実業家、政治家として活躍した藤巻幸夫さんの講演を聞いたことがあります。残念ながら2014 年に54 歳の若さで亡くなられたのですが、その5 年ほど前の講演だったと思います。

藤巻さんはバイヤーになりたくて伊勢丹に入社しましたが、配属されたのはバーゲン売場、販売と倉庫からの品出しが仕事でした。嫌で嫌で仕方なかったそうですが、ある日倉庫にはさまざまな服地があることに気づきました。

ここが転換点でした。藤巻さんは服地を徹底的に調べ、触るだけで種類がわかるようになりました。バイヤーに転籍したときには、誰よりも服地がわかる存在だったのです。他は忘れましたが、この話だけはよく覚えています。

仕事を多面的に知ることでおもしろさが見つかる

「 おもしろい」や「おもしろくない」は個人の主観的な感情です。世の中には、「おもしろい仕事」があるわけではなく、仕事を「おもしろいと思える人」と「おもしろいと思えない人」がいるだけです。

働くのならば、おもしろいに越したことはありません。どうしたらおもしろくなるのでしょうか。一つの方法は仕事を多面的に知ることです。視野が狭いと、表面だけを見て、おもしろくないと感じてしまうことが多いのです。

おもしろさは視点転換で引き寄せられます。藤巻さんは「倉庫は服地サンプルの宝庫」と気づいたときに、仕事のおもしろさに覚醒しました。倉庫を商品置き場と思っていたとしたら、カリスマバイヤーは誕生しませんでした。

仕事の目的がわかれば自信が湧いてくる

もう一つの方法は仕事の目的を理解することです。「なぜ、何のためにやっているのか」、ここが腑に落ちると仕事は俄然おもしろくなります。さらに「誰かの役に立っている」ことがわかると、仕事に対する自信が生まれます。

あなたの周りには仕事をおもしろいと思えない人がいませんか。それがいっしょに働く部下や仲間だとしたら見過ごすわけにはいきませんよね。なぜならば、チームの生産性は低下し、成果に影響が出てくるからです。

「 どう、仕事はおもしろい?」そんな声を社内に発信してみてください。「おもしろくないです」とはいわなくても雰囲気でわかります。そんなときは、「視点の転換」と「目的の確認」を話し合ってみてはいかがでしょうか。 

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