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戒めの言葉、「やるか、やらないか」

13年前の2009年に書いたブログの再録です。画像は2011年放送のNHK「こころの時代」からお借りしました(右側が石川洋先生)。

エッセイストの岸本洋子さんのインタビュー記事


23日の日本経済新聞・夕刊の「学びのふるさと」というコーナーにエッセイストの岸本洋子さんのインタビュー記事が掲載されていました。

タイトルは「重要なのは、やるかやらないか」。岸本さんは、高校の佐藤先生にこういわれたそうです。記事から一部を引用します。

「“うちの子はやればできるけれども、やらないだけ”と言う親がいるが、それは違う。」「勉強というのは“やるかやらないか”だ」

フリーで物を書く仕事を始め、同じ言葉を発する人に大勢出会いました。「書く気になればいつでも書ける」「本当はもっとすごい仕事が出来る」、目の前の仕事を軽んじ、まだ形にしていない仕事を誇るのです。

聞くたびに佐藤先生の言葉を思い出し、「自分は絶対に言うまい」と与えられた仕事に徹することを心掛けました。

托鉢者の石川洋先生が笑顔で言われたこと


岸本洋子さんと同じことを、僕は石川洋先生からいわれました。

石川先生は、京都の一燈園(いっとうえん)の創始者、西田天香師の最後の弟子といわれ、下坐(げざ)行に人生を捧げてきた托鉢(たくはつ)者です。

12年ほど前にセミナーで石川先生にご講演をしていただきました。終了後に石川先生を駅までお送りすることになりました。道すがらセミナーを振り返り、僕は先生にこう申し上げました。

「素晴らしいお話でした。でもなかなか実践出来ないんです」、先生は足を止め、優しい笑顔でこうお答えになりました。

「櫻田さん、心配することはありませんよ。やるか、やらないかですから」いまでも時々、その時の先生のその言葉を思い出します。

励ましの言葉を期待した僕に、「いいと思うのならば、実践しなさい」という厳しいお叱りの言葉でした。以来、「やるか、やらないか」という言葉は僕の戒めになっています。

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