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博士課程後期(D2)の彼女② ~お悩み編~

こちらの続き…

博士課程後期の恋人の、お悩み編に突入します。あくまでも個人の感じた範囲内なので、悪く捉えすぎないで読み進めてください。

1.将来不透明すぎ

これに尽きると言ってもいいくらいなのですが、本当に先が見えません。一寸先は闇です。

まず、卒業条件が「3年で卒業できるかもね~」なの、あまりに不条理…(卒業条件には大学や学部によって差異があると思います。)私の恋人の場合、卒業までに論文を3本書くのが条件でした。ゆえに、スランプに陥ったり、研究がうまくいかなかったりすれば、おのずと卒業は後ろに倒れていきます。そしてその結果、就職も遅れます。
ストレートで卒業したとしても、一般的には博士課程後期卒は27歳から社会人がスタートします。
もし社会人になってから、結婚という流れを想定していると、今すぐ結婚したい人には、じれったいポイントかもしれません…

2.お金がない/貯金できない

これはそれぞれの家庭の経済状況や本人の力量次第というところではありますが、大体の人はお金がないです。
学費を払ってもらっていたり、仕送りをもらっていたりで状況は変わると思いますが、お金がとにかくないのです。

恋人の修士の間の話になりますが、学費は家族に払ってもらっていたものの(たぶん)、生活費を自ら捻出する必要がありました。ですので、奨学金を借りており、そこから生活費を払っていたようです。

バイトすればいいじゃん?と思いますよね。私も最初はそう思いました。しかし、彼らはとてつもなく時間がないのです。理系の大学ということもあり、研究に雑用に忙しく、バイトをしている暇がない。(要領のいいひとや体力オバケの人は働いていると思う)
また、私の恋人は奨学金返済免除を狙っていました。そのためには優れた論文や発表で成果を残さなくてはならず、バイトより研究を優先せざるを得ない状況でした。

その状態で、博士課程後期にあがるので、実家が太くない限りはお金がない人が多いのではないかな?と思います。


3.学振の厳しさ

学振とは、日本学術振興会の事業で、主に日本学術振興会特別研究員のことを指しています。簡単に言えば、この学振に選ばれると月々お金が貰えて、それを自由につかることができます。(詳しくは日本学術振興会のHPとか見てください。URLはわかりやすくまとめてある記事です→https://acaric.jp/articles/4127

この学振に選ばれるのが、なかなか至難の業で審査から落ちることもざらにあります。修士までにある程度の結果を残していないと、難しいみたいです。

そして、選ばれたとしても月々にもらえるお金はそんなに多くありません。年収にして240万円ほど(+研究費150万円、こちらは研究のためにしか使用できません。)でそこから健康保険等の支払いがあるので、手元に残るのは生活費プラスアルファくらいだと思います。
私と恋人は地方在住ですが、都内などで生活費がかさむ場合は結構苦しいのではないでしょうか…

日本の研究者への支援は、他の先進国と比較して少ないといわれています。将来の日本を担う研究者が潤う制度や体制が整っていくといいな…と思っています。



ここまで、お悩み編で暗雲立ち込める感じになってしまいましたが、もちろんメリット(この書き方だとなんか打算っぽくて嫌ですが)もあります。
次回の更新はそちらを…



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