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僕を変えてくれた2つのワークショップ

 "ワークショップデザイン Advent Calendar 2019" 用の投稿です。


やっとこういうワークショップに出逢えた!

参加してみて、自分の自己受容とか自己肯定感がジワジワと上がってきたワークショップを簡単に紹介します。そこでの体験から、僕は幼い頃からの強い自責から解放され、人々を日に日に好きになっている気がします。それぞれに「セラピスト」の女性がいたり、全体の構成に共通点がありました。日頃「おじさん社会」にあって、ビジネス臭が漂うようワークショップばかりの自分にはとても新鮮でした。共感力、感情の取り扱い方に長けた人たが、苦心して作り上げたワークショップの「型」に、何かヒントがあるんじゃないかなぁ、と思うのです。

「志村季世恵のDIVE INTO FOREST」

Be-Nature School 主催の「志村季世恵のDAIVE INTO FOREST」。令和元年6月、群馬県玉原高原にて。ファシリテーターは、バース セラピストの志村季世恵さんとBe-Nature代表 森 雅浩 さん。ブナの原生林で対話し、自分自身を見つめるという構成です。去年の秋に次いで2回目、その時は「INNER DIVE」というタイトルでした。以下、森さんのプログラムレポートから紹介します。

今回のプログラムでとにかく印象に残ったのは、ハルゼミの大合唱。森に近づくと、音のシャワーが全身に降り注ぎ、春の森のエネルギーがビンビン伝わってきます。そして、志村季世恵さんの皆を森に導くリードの素晴らしさ。グループ全体をファシリテートしながら、ひとり一人の様子にしっかりと気配りをして、絶妙のタイミングで声をかけたり、アクティビティーを繰り出したりと、さすがだなー、と改めて思いました。タイトルの「DAIVE INTO FOREST」の名のとおり、美しいブナの森に、本当にしっかりと潜った二日間でした。

森の中はこんな感じです。森さんが、お茶淹れてくれます。後ろが季世恵さん。お2人と、このプログラムは、中野民夫さんの著書「ワークショップ」に紹介される「自分という自然に出会う」に繋がるようです。

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「マインドフルネス イン ネイチャー ゆとり家 連続講座」

ゆとり家は、東丹沢の山裾にあるワークショップハウス。里山の一軒家で、「普通」に家族が住んでいます。1995年にティク ナット ハン師の招聘に携わり、師の著書の翻訳やマインドフルネスの講演活動をしている島田啓介さん、セラピストで、ヨガ、気功も教えている舞原さなえさんが、この「連続講座」を企画されています。

ご夫婦でデザインされていくワークショップは、自然の中で、歌ったり遊んだりも交えて、ありのままの自分を受け入れて愛おしむ、さらに「もう手放してしまってもよい」時期にきた感情や心のシコリを手放すこと目指します。春期と秋期、それぞれ月に1度、3ヶ月連続のプログラムです。

ゆとり家の森を案内するダーさんこと島田さん。舞さん(さなえさん)の写真がなかった。

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DIVE INTO FOREST とゆとり家連続講座の共通点

構成が共通していたところをネタバレにならない程度、あげていきます。内側(インサイド)にある命や心が、身体の感覚で外界(アウトサイド)と交信するという僕の好きなモデルで見ていきます。ワークショップは、アウトサイドとインサイドの交信からアウトカムにいたる、このサイクルの回し方次第と思います。細かい交信・交流は瞬時にも起きますが、全体を俯瞰するとこんな感じかと思います。

1.チェック インにたっぷり時間を取って、互いの物語を共有する

時間の制限を気にすることなく、互いの物語にしっかり耳を澄まします。10〜20人くらいが輪になって聴き合うので、自分が語る時間以外はアウトサイド イン。丁寧に今ここに立ち戻ります。

2.森で木と対話し、シェアする

瞑想的に森に入り、受け入れて貰います。木と対話したり、好きな場所で過ごしたり、寝ころがったりします。一見、アウトサイド インのような気がしますが・・・

3.ブラインドウォークする

  森のなかでペアになり、1人が目をつぶり、もう1人が案内します。案内してくれる人を信頼し、触覚など視覚以外の身体の感覚をしっかりと意識の中に「イン」していきます。感覚に集中することで、その後の「受けとめ」方や、ノイズにもなる「思考」の流れにも気づけます。このワークは「やるときもあります」くらいのオプション的な位置付けだと思います。

4.焚き火を囲む

火を起こす、火を囲んで語り合う、ちょっと食べたりもしますが、対話の時間です。この間、耳を澄ましますが、ずっと封印してきた気持ちが堰を切ったように「アウト」してくることもあります。これもオプション的。

5.最後に自分の心を象徴する絵を描く

自分の内側にある「ケアしていきたい」気持ちや「世界」を描きます。成果物ともいえるインサイド アウトのセッションです。

前提にある世界観

舞さんは、よく言葉にしてくれますが、2つのワークショップが前提にしている世界観があると思います。

自分が見ている現実は、心の投影であり不可分である。

「木が自分に語りかけてくれたとしたら、それこそ他ならぬ自分自身の声」。スピリチュアルとか以前のことです。

他者と対話することで、自分の姿を鏡に映すように「知る」ことができる。

「瞑想して、自分を見極めて、悟る!」というイメージを僕は7歳のとき「おしゃかさま」の伝記を読んで以来持ってました。でも悟りのきっかけは、村娘の民謡だったワケで「他者の存在」が必要なのかもしれません。

「森」は、「全体として存る」もの。夜の森ならなおのことですが、「木」も「あなた」も「わたし」の境目が曖昧。というか、思考、概念の産物という気がしてくる。「みんなが大切」という感情が自然に湧き上がってくるのです。

「手放す道」は、まだまだ続く

実のところ、台風で延期になった分、ゆとり家のセッションがあと1回残っていて、その後「手放そうと思った心のシコリがどうなったか?」観察していくことになります。扉の写真の富士山は、今年参加したマインドフルネス リトリートでのものですが、行く行くはこの景色のようでありたいと思います。

晴れてよし 曇りてもよし 富士の山 もとの姿は 変わらざりけり    山岡鉄舟居士

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