ブリティッシュメンサの話

ブリティッシュメンサのロンドンの集まりでやってたカードゲームは、それぞれのテーブルに別れていくつもあった(チェスやってる子もいた)のですが、大きめの輪になってたのは「カタン」。これは有名みたいですね。息子の他にも初めてプレイする人が何人かいたので、知ってる方が簡単にルールを説明してから始めてましたが、どの方もトライアルプレイ1回ですぐルールを理解してしまい、本番からはその回での勝ち負けよりも自分が考えついた策略がルールの中で許されるのかどうかをひたすら試す人がいたりして、そういう人たちを見てるのが面白かったです。期待通り!と喜んでしまったら申し訳ないけど、やっぱメンサは変な人が多いと感じました。あと、息子の感想としては「頭のいい人が多かった」(笑)。これは一般的にはそりゃそうでしょうという感じなのだけど、息子はメンサに興味があって(どんな集まりなのかは説明した)試験を受けたわけではないので、普段の暮らしの中では珍しい部類に入る「頭のいい人たち」が、ここではいっぱい集まってたというのが面白かったようです。
私が誘われてやったので覚えてるのは「スプレンダー」。これ、何だったか日本のカードゲームでもすごく似たルールのを友だちがお子さんとやってるのを見た気がするので、類似のゲームはいくつも出てるのかもしれません。うちにある「クルード」というボードゲームも場にあったのですが、やってる人はその日はいませんでした。残念。

もしご興味お持ちでブリティッシュメンサのホームページにアクセスされた方がいらっしゃったらご存知かもしれませんが、ブリティッシュメンサでは「高IQであることに象徴される特性によって社会と馴染み辛くなっている人たちや、その保護者の自助グループ」といった性質が全面に押し出されているようです。元々イギリスでの設立の経緯が、とある妹大好きなお兄さんが、IQが高すぎてなかなか普通の男性とのお付き合いに発展しない妹の為に作った集まりみたいなものだったそうで、当事者としての悩みもさることながら、高IQの子を抱えてしまったご家族に対する共感みたいなものが、私なんかには強く感じられる集まりです。

息子のメンサ入会のきっかけは、最初は学習障害を言われていた為、香港か日本、あるいはイギリスで精神科で発達障害系の検査を受けさるべきかどうか、というところからスタートしたのですが、精神科受診はやめてくれとの婚家の意見があったので、じゃあメンサでせめてIQテストだけでも受けられないか?という流れでした。ブリティッシュメンサの一般の試験(低年齢の場合は精神科医で受験したり学校へ呼んでしてもらうものもあるようでした)は12歳以上でないと申請できなかったので、12歳になるのを待って息子に受験してもらいました。
どんな団体か、どんなテストかというのは本人にザッと説明してあったのですが・・受験当日、会場となる大学の講義室の前で開場待ちをしていた時に、後から息子がいうには「受験者がナード(内向的なオタクとでもいうような意味)みたいな大人ばかりでこんな集まりに入るのかと思うと不安になった」そうで、突然機嫌が悪くなり、不安定なまま試験へと突入。心配というか、親として、学校の指摘するように学習障害はハンディキャップなのか、そうではなく注目すべきは他のところにあるのではないかということの証明が欲しいだけのエゴで、私は無理やり息子に受験させてるのかも知れない、そんな自己満足の為に息子が全く興味もないところに連れて来て私は何をやってるんだろうか、という反省の念が頭をぐるぐると巡る待ち時間となりました。待合室には同じく子どもの受験に付き添ってきたお母さんが二人いらっしゃって、お一人が声かけてくださったのでなんとなく会話となったのだけど、お二人ともかなりの教育ママといった感じだったのには尚更凹みました。私もこんな感じなのかな、と。
息子はその年が中学受験だったのですが、受験の予行練習に何か外部試験を受けてみるのもまたよし、くらいの軽いノリでもあったので、まあ上手くいかなくても何困るわけでもないし・・と自分の気持ち的に立ち直りかけていたところで、息子だけが教室から出てきました。一瞬、棄権したのかと思いましたが、本人はケロッとした顔で「思ったよりできた」と。また、ブリティッシュメンサのIQテストにはCattell III B というのと Culture Fair というのの2種類のテストがあるのですが、先に実施される Culture Ⅲ B だけで帰っても良いと言われたそうで「もう帰るわ」とのこと。結果的にはこのテスト単独での合格となりました。