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アンドロイド:ネットランナーことはじめ

2回目にしていきなりディープな話をぶっ込んでいく18toyaこと冬夜です。
皆様おはようございます、こんにちは、こんばんは^^

さて本日は、かの名作「アンドロイド:ネットランナー」について触れたいと思います。
え…アンドロイド:ネットランナーをご存知ない…?

とまぁ知ってるのが当然のように語り始めましたが、パックリリースを終了してから既に数年経ったゲームなので知らない人が少なくないのも当然でしょうね^^;

アンドロイド:ネットランナーとは?

アンドロイド:ネットランナーは、マジック・ザ・ギャザリングの生みの親であるリチャード・ガーフィールド氏が原作の、TCG風2人対戦カードゲームです。

TCGと少し違うのは、TCGであれば新弾拡張パックが出た際に大人買いをして「ウルトラレアが来た!」とか「ハズレだ!くそうもう10パックだ!」とか悲喜こもごもが起こりがちなのですが、ネットランナーの場合はどのパックを買っても必ず決まった内容のカードが入っていました(この方式はLCGと呼ばれるシステム)。定期的に拡張をリリースして環境に変化を与えながらも、射倖心を煽るのではなく、カードの組み合わせとプレイングを工夫する頭脳戦を提供するよ!楽しんでくれ!と言うメーカーからのメッセージだったのではと思います^^

アンドロイド:ネットランナーは海外では結構受けたようで、数年間拡張パックの提供が続きました。日本では残念ながら海外ほどには受けなかったようでしたが、大箱サイズの大型拡張がいくつかと、パックタイプの拡張も10〜20くらい出たようです。
ただ、TCGほどには普及しなかったこともあったのか、販売元のファンタジーフライト社と権利元のウィザードオブザコースト社の契約は2018年に切れることとなり、以降新たな拡張等のリリースは無くなり、アンドロイド:ネットランナーの世界は静かに閉じていくこととなりました。

で、それってどんなゲーム?

さて、ではアンドロイド:ネットランナーとは実際どんなゲームだったのか。

まず、世界観はサイバーパンク。近未来の地球が舞台です。
その頃、世界を支配しているのは国をも超えて巨大な資金と権力を握ることとなった超巨大企業(メガコーポ)でした。しかし、表には素晴らしい企業に見えても裏では後ろ暗いことをやっていたりする。こうした企業の闇を暴こうというハッカー集団(ランナー)が現れます。
とはいえランナーも正義の味方という訳ではありません。ある集団は企業から金をせびるため。ある集団は権力を嫌い世界を無秩序にしたいため。まぁ、ランナーも大概な訳ですねw
こうして世界はコーポとランナーの仁義なき戦いへと突入していく。

というのがアンドロイド:ネットランナーのベースストーリーです。
で、2人対戦となると、片方がコーポ、片方がランナーを担当することになります。つまり非対称型対戦です。お互いのカードプールどころか、様々な用語などが全く異なります。

例えば、山札の呼び方ですがコーポ側だとR&D(Research&Development)、ランナー側だとスタック。
手札はコーポ側がHQ(Head Quarter)、ランナー側がグリップ。などなど(これはほんの一例です)。

また、行動や狙いもどちら側を担当するかで当然変わってきて、
コーポ側なら、ランナーにハッキングされないよう防御を固めつつ計画を遂行して勝利したいし
ランナー側なら、企業にハッキングをかけて計画書を奪い取り勝利したい。
そのため、コーポ側は防御を固め、ランナー側は攻撃を仕掛けるために武装する。

このように、アンドロイド:ネットランナーは世界観に対するコダワリの元に作られており、用語なんかもサイバーパンクの雰囲気が物凄くあって、さも近未来世界で企業側の人間、あるいはハッカーになったような気持ちで遊べるという意味で稀有な体験ができ、非常に没入感のあるゲームだと思います。

が、いかんせん専門用語の多さは障壁にもなる訳で。この用語の壁に阻まれて、「面白そうと思って入手はしたものの、ルールブックを読み進めるのに苦労した」とか、あるいは「最後まで読めなかった」という人すらいるかもしれません。ネットランナー語とも言えるほど特殊な用語が多いため、ルールブックの読み進めはなかなかに大変な部類だったのではないかと思います。

私だけじゃなかったと思いたいです! 笑

ルルブ読解に再チャレンジしてみた

そうなんです。
実は、私も過去にルールブックを読み進めるのに難儀して、結局ほとんど遊ぶことが出来なかった派の一人!

当時は世界観に憧れてゲームを入手したはいいものの、独特の用語がまず頭になかなか入ってこず、更にゲーム全体を見通すことも出来てなかった。これは、当時はまだまだボードゲームの経験が浅かったことも影響したものと思われます。

さて、時は流れ現在は2023年。その後私も色々なボードゲームを体験してきて何となくゲームの流れに共通する知識等は得てきました。
そんな中で、もしかすると近々アンドロイド:ネットランナーを遊べるかもしれない!というチャンスが舞い込んできたのです。

となると、元々遊びたかったのに「当時は」十分にルールを理解できなかったため置いてあった本作、しかし経験は積んできたのでもしかすると今なら…?そんな希望の火が灯り。
よっしゃーーーやったる!!!とチャレンジが始まりました。
ルールブックの再読み解きです。


結論から言います。
多分、割と分かりました 笑
もっとスパッとした答えじゃないの?とズッコケた方もいると思うのですが、未来世界の企業とハッカーの戦いという壮大な世界観なのですよ?そんな簡単に凡人が理解できるわけ、ないじゃないですか!!(開き直り)

再チャレンジをする中で改めて認識しましたが、やはりルールブックの読みやすさ、読みづらさは「ネットランナー語」が多大に影響してます。「馴染みのない用語」の羅列によるルール説明をサラッと読んでも、ルールを理解する前にまず用語理解の方に気を取られてしまい、肝心のルールまで脳みそが届かない^^;;

そこで今回、ルルブを読み進めるに辺り、用語が何を指しているかや、その語源などについても少し調べてみて、意味から言葉を理解できるように努力してみました。その結果!

以前読んだ時よりは格段に理解できた…と思うのです、自分的には 笑

「ネットランナー語」の基本を抑えよう!!

という訳で、ルールを理解できるための前提として、
「ネットランナー語」を、私なりに解釈したものを以下に貼ってみたいと思います。
「私が、自分の理解に役立つように」と思って作ったものなので、読みづらい方がいたらごめんなさい。ただ、何もないよりも少しでも誰かの、何かの役に立てば幸いと思い、このような形で投稿してみますね。


【コーポ側用語】
HQ…Head Quarter、本社の意。手札。どんな動きもここに入らなければ起動しないことを考えればなるほど本社。
R&D…Research&Development、研究と開発の意。山札。これから研究・開発する題材が眠っている場所として未来が山札を指しているということだろうか。
アーカイブ…archive、資料室、書庫の意。捨札。必要無くなったものを一時保管する意か。
中央サーバー…HQ(手札)、R&D(山札)、アーカイブ(捨札)を総称して中央サーバーという
ルート…root、IT用語で最上階層の意。ルートディレクトリ。サーバーごとのルートにそのサーバーを強化できるカードを設置できる。中央サーバーのルートに強化を張った場合はHQ、R&D、アーカイブの全てに影響を及ぼす(はず)
遠隔サーバー…コーポ側の盤面を指す。計画書(勝利点カード)を実際に勝利点に変えるには遠隔サーバーに仕込む(インストール)必要がある
アイス…ICE(Intrusion Countermeasure Electronics:侵入対抗電子機器)、攻殻機動隊でいう攻性防壁。ハッカーが越えるべき壁だが、ハッカーの侵入を防ぐだけでなく時に致死性の攻撃を伴う
レゾ…resolutionの略か。解決の意。コーポ側はカードをプレイする際、おもに裏向きでプレイする。これらをレゾする(効果を発動する=カードを解決する)ためにはお金が必要となることが多い。お金を払えない場合はレゾすることができず、カードは置かれていても効果を発動できなくなる。お金を払えても意図的にレゾしない場合もある
タグ…tag、札・付箋。コーポはランナーのハッキングを追跡(トレース)し、タグ(識別札)を付けることでハッカー側のリソースを破棄することができるようになる。コーポからハッカーに能動的に仕掛けられる唯一の攻撃

【ランナー】
グリップ…grip、握っているということ。手札。まさしく握っているからか
スタック…stack、積み重ね。山札。IT用語ではメモリの一種で、スタック領域とヒープ領域は対照的に語られる。積まれて順に処理されること。転じて、知識などを階層状に整理したものもスタックと呼ばれる。単純に「積まれているから山札」でも良いかもしれない
ヒープ…heap、山積みのこと。捨札。IT用語ではスタックのような積み上げ式ではなく、必要な時に確保し不要になったら解放できる動的なメモリを指す。「不要になったら解放」のイメージで捨て札ということか
リグ…rig、装置・道具。ランナー側の盤面を指す。コーポのアイスを突破するためにリソース、ハードウェア、ソフトウェアを仕込む場所。なおrigには「からかう、いたずらを仕掛ける」という意味もある(スラング)。ハッカーらしい用語かもしれない
アイスブレイカー…アイスを突破するためのプログラム。メモリを食うためインストール上限があり、最初は4メモリ以上使用できない。メモリを超えるプログラムをインストールしようとする時はメモリ上限内に収まるよう、インストール済の他のプログラムを捨てる必要がある。なおメモリはハードウェアにより増設可能。


【ゲームの基本的な流れ】
コーポ側は計画書で得点をしていきたい。しかし計画書は単純に「置けば点数になるカード」ではない。行動回数を消費して行うアドバンス(アドバンストークンを載せる行動)を、カードが指示する回数繰り返すことで、ようやく得点できる。

計画書のアドバンス要求が2であれば、コーポは3行動を使って「計画書を置き」「アドバンス」「アドバンス」→得点と、1回の自分のターンだけで得点できる。しかしアドバンス要求が3だと1ターンで得点化まで行けないため、途中で必ずランナー側にターンが回る。ここでランナーに計画書を奪われないよう、アイスを置いて盗難を防ぎたい。また、計画書と思わせて「資材」で罠を張るなどしてランナー側を疑心暗鬼にさせたり追い詰めたい。場合によっては大量の資材でランナー側を死に至らしめる(ブレインダメージ→フラットライン(死亡))ことを主目的にする作戦もある。ただしコーポ側はアイスをレゾするためにお金が常に必要となる。そのためコーポ側の生命線は金策ということになる。任務はこうした金策などに効果を発揮してくれるだろう。

一方、ランナー側はうまく資材を潜り抜けて計画書を盗みたい。そのため「ラン」をかける事が基本行動となる。コーポ側は守るべき場所がHQ、R&D、アーカイブ、遠隔サーバーと複数あり、これら全てを守り切ることは特に序盤は困難。よってアイスが置かれていない場所には果敢にランを仕掛け、中身を確認していきたい。ランが成功すると、HQならコーポの手札からランダムに1枚、R&Dなら山札の1番上のカード、アーカイブなら捨札の全てのカードを見ることができ、計画書であれば盗むことができ、またはトラッシュコストが記載されているカードの場合は捨てさせる事ができる。もし計画書が盗めなかったとしてもトラッシュさせる事ができなかったとしても、カードの中身が見れることは有意義だろう。

やがて、コーポは計画書で得点していくためにアイスをどんどん張り、守りを固めていくだろう。こうなるとランナーとコーポのガチ勝負。ランナーはアイスを乗り越え計画書を盗むためにリソース、ハードウェアを仕込んだのちアイスブレイカーをインストールすることになる。アイスには4つの種類があり(セントリー、バリア、コードゲート、トラップ)、突破したいアイスに適合したアイスブレイカーを仕込む必要がある。

また、アイスにはそれぞれ強度が設定されており突破のためにアイスブレイカー側も強度を上げる必要があるが、そのためにはお金が必要となる。ランナー側もコーポ側同様、イベントなどでお金を稼ぐ事が必要だ。また、アイスには幾つのサブルーチン(妨害プログラム)があるか、そのサブルーチンの効果はどのようなタイプかなどの読みにより、仕掛け時も考える必要がある。

このようなランと防御の応酬の中で先に7点を得た者が勝利する。


結びに

以上です。
アンドロイド:ネットランナーについてこの記事で初めて知った!と言う方が、もし上記の説明を根気よく最初から最後まで読んでくれたとしても
「カオルくん!君が何を言ってるのか分からないよ!」と言いたくなるのではないかと思います。
その気持ち。100%分かります。私もあなたの立場ならそう言うでしょう 笑

しかし。こう答えるしかないのです。
「悲しいけど、これってネットランナーなのよね」

そう。これが、アンドロイド:ネットランナー。企業とハッカーが生き馬の目を抜く抗争を繰り返している、未来のディストピア。

しかし、こうした言葉の壁、概念の壁を乗り越えて。
我こそ腐敗した企業の臓腑を抉り世界を無秩序に期してやろうと言う野望の輩。
金をせびり倒してやるぜ!と言う破壊と拝金主義の権化。
そんな方が居たら、ぜひ熱い戦いを繰り広げましょう 笑

現場からは以上です! (了)


そりゃあね。カードにこんだけ↑↓遠慮なくネットランナー語使われて書かれてたら、単語分からなきゃ無理ですよ、無理^^;;

PS. この記事は、近々アンドロイド:ネットランナーを「REMOTZ」と言う素敵なアイテムを使用してリモートで遊ぶ予定のため、自分及び対戦相手の方が少しでもルールを理解する助けになれば、と思い作成したものです。
とはいえ、この記事を読んで「なんて圧倒的なサイバーパンク力…まるでブレードランナーか攻殻機動隊じゃねぇか…(ゴクリ)興味が湧いたぜ…!」と思ってくれる方が少しでも、お一人でも居たら望外の喜びですm(_ _)m
長文乱文、失礼しました。

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