反応遮断化理論 (反応制限説)
学習心理学における反応遮断化理論についてのまとめ。
強化相対性
「あらゆる刺激は,最初から強化子として絶対的な機能を有しているのではなく,他の刺激との相対的関係を持つことで強化子としての機能を有する」
"刺激"は"反応"に置き換えられる。("食べ物"は"摂食")
個体に効果を持つ"刺激"を,個体への効果の現れとしての"反応"から考える。
刺激-反応という関係を,反応-反応という関係として考えることで,交換可能な同じ水準のものとして考えることができるようになる。
プレマックの原理
(Premack, D. (1965). Reinforcement theory. In Nebraska symposium on motivation (Vol. 13, pp. 123-180).)
「より自発頻度が高い反応は,より自発頻度の低い反応を強化する。」
(よくする行動は,あまりしない行動を増やす。)
(歯磨きの回数を増やすには,歯磨きをさせた後にゲームをさせる。)
反応遮断化理論
(Timberlake, W., & Allison, J. (1974). Response deprivation: An empirical approach to instrumental performance.)(https://sites.oxy.edu/clint/learn/articles/Responsedeprivationanempiricalapproachtoinstrumentalperformance.pdf)
「より制限された反応はより制限されない反応を強化する。」
自由接近事態の反応配分点から見て,制約スケジュールによって,反応がどれだけ制限されたか。反応の制限の程度を比較して,より高く制限されている反応は,低く制限されている反応の強化子になる。反対に,より低制限の反応は,高制限の反応の罰子になる。
(なんでも自由にやっていい場合と比べて,より量が減らされている行動は,あまり量が減らされていない行動を増やす。あまり量が減らされていない行動は,より量が減らされている行動を減らす。)
(24時間を自由に使っていいとして,ゲームに費やした時間は合計8時間で,歯磨きに費やした時間は合計1分であった。歯磨きを合計9分に増やすため,歯磨き3分間を1日3回しないと,ゲームを一切してはいけないことにする。この場合,ゲームは制限をより受けているので報酬に,歯磨きは制限されていないため罰になる。)
反応同士の関係性を知ることで,その後の反応の増減を予測できる。
人および動物は自由接近事態の反応配分点に向かって行動しようとする。
やりたいことができない場合には,やりたくないことをやってでもやろうとする。やりたくないことをやらされている場合には,やりたいことができなくても,やりたくないことをやらないようにするかもしれない。
たくさんやりたいことをやるために,ちょっとやりたいことをたくさんやるかもしれない。(おいしい食べ物をたくさん食べるために,好きでも嫌いでもないが料理を研究して,時間をかけて料理をする。)