黄金比率で作る玉子焼き「抹茶味噌の厚焼き玉子サンド」のレシピ
レストラン1899お茶の水の1899アフタヌーンティープレートのセイボリーとして提供している「玉子サンド」。単品では販売しておらず、アフタヌーンティープレートでしか食べられない商品なのですが、「この厚焼き玉子サンドだけ食べたい!」というお客様リクエストもあるくらい、人気の一品です。今回、厚焼き玉子サンドのおうち専用レシピをレストラン1899お茶の水店長兼料理長の大久保に教えてもらいましたので、ご紹介します!
1899の厚焼き玉子サンドとは?
和食の職人がつくるこの厚焼き玉子サンドには、こだわりがたくさん詰まっています。まず、長年受け継がれている伝統の黄金比率で作る甘めの厚焼き玉子。玉子焼き器で強火で手早く巻くことで、ふわっと、出汁がじゅわっとする厚焼き玉子に仕上げています。
また、厚焼き玉子サンドには、お茶味噌を忍ばせていることもこだわりの一つです。味噌のコクのある甘味と塩味にお茶のほろ苦さが合わさり、全体の味に深みを持たせてくれます。1899で提供している厚焼き玉子サンドは季節によってパンのフレーバーやお茶味噌のフレーバーが変わりますが、今回つくるおうちレシピでは、食パンと抹茶味噌で再現します!
材料
・パン(8枚切り)2枚
【サンド専用 厚焼き玉子】
・卵(Lサイズ) 3個
・出汁 大さじ2(30cc)
・砂糖 小さじ1と1/2(7.5g)
・しょうゆ 小さじ1(5cc)
・油 少々
※調味液の割合 出汁:砂糖:醤油=6:1.5:1
【抹茶味噌(作りやすい分量)】
〇味噌 大さじ1(18g)
〇料理酒 小さじ1/2(3g)
〇みりん 小さじ1/2(3g)
〇砂糖 ひとつまみ(0.4g)
〇抹茶粉 小さじ1/4程度(0.5g)
※上記の分量で作った抹茶味噌の半分程度を使用します。
準備するもの
・玉子焼き器
・ボウル
・パン切り包丁
・クッキングシート
厚焼きたまごサンドを作ってみよう!
手順①<厚焼き玉子>
①分量の出汁、醤油、砂糖を入れて混ぜ合わせておく。砂糖が溶けない場合は出汁を温めると砂糖が溶けます。
②卵をボールに割り入れ、菜箸で切るように混ぜる。
③卵がほぐれたら、①加えて混ぜる。
④玉子焼き器に少量の油を伸ばし、中火で熱し、温まったら③の卵液の1/5量ほど入れる。
⑤奥側から巻いていく。サンドしやすいように、小さく巻くよりも大きく半分に折りたたむようなイメージで巻くとよいです。巻き終わったら、奥に移動させて、残りの卵液の1/4量ほどを入れる。
⑥同じように奥から手前に巻いていく。残りの卵液も同じように玉子焼きを巻いていく。
⑦巻き終わったら、火を弱め、玉子焼き器を左右に傾け、長方形の厚焼き玉子を食パンの形にあわせるためになるべく正方形になるように角を整えて、冷ましておく。
手順②<抹茶味噌>
お店では、卵黄と味噌に調味料を混ぜ合わせて作るのですが、今回はおうち専用として簡単に作れるアレンジレシピをご紹介します。
①先に抹茶粉と分量の酒を合わせて混ぜておく。抹茶がダマになりにくく、混ぜ合わさりやすくなります。
②①に味噌、みりん、砂糖をいれてよく混ぜる。
手順③<サンドの組み立て>
①パンに抹茶味噌を塗り広げる。(片面、2枚とも)
②粗熱のとれた玉子焼きを乗せる。
③もう一枚のパンを重ねる。(抹茶味噌が内側)
④耳をカットする。
そのまま半分にカットしてもよいですが、今回はクッキングシートで包んでからカットしてみました。
クッキングシートを使うことで、カットしやすく、パンの間から厚焼き玉子が飛び出してこないので安心です。
⑤クッキングシートでつつむ。(ラップでも代用可)
クッキングシートの上にサンドを置き、クッキングシートの両端を中央で合わせて折りたたむ。
両サイドをパンにぴったり沿うように三角形に折って、裏側へ折りたたむ。
⑥クッキングシートの綴じ目を横向きにし、縦にカットする。
厚焼き玉子を上手に巻くコツ
きれいな断面の厚焼き玉子サンドを作ってみたいですよね。厚焼き玉子を上手に巻くポイントを教えてもらいました!
おいしい厚焼き玉子とは?
ふわっとした食感に、出汁がじゅわっとした厚焼き玉子が理想です。もちろん、卵と出汁のバランスもそうですが、巻くときの火加減や巻くタイミングによっても仕上がりに差がでてしまうものです。いくつか失敗しやすいポイントを挙げてみました。
失敗しやすいポイントを見直してみよう!
<ケース1>玉子焼き器に張り付いて、うまく巻けない。
テフロン加工の玉子焼き器であってもしばらく使っていると張り付いてしまうようになります。油を少量全体になじませてから玉子焼きを焼くとよいです。また、玉子焼き器が温まる前に卵液を入れると張り付きやすいので、卵液を入れるタイミングは玉子焼き器が温まってから入れましょう。菜箸につけた卵液を玉子焼き器に少しだけ入れて、「じゅっ」と音がしたら、温まったサインです。
<ケース2>巻いてもバラバラになってしまう。
もしかしたら、卵液を流してから巻くまでに時間を置きすぎているかもしれません。卵液が完全に固まってしまう前に巻き始めるとよいです。もしくは、少し火力を弱めてみてもいいかもしれません。
<ケース3>とろとろしすぎて、巻けない
分量が正しいか見直してみましょう。卵に対して水分量が多すぎると固まらずに巻くことがむずかしくなります。火力もあまりに弱火だと固まるまでに時間がかかりますので、火力を調整してみてください。
<ケース4>上手に巻けない
箸ではなく、フライ返しで試してみるとよいかもしれません。玉子焼き器は持ち上げず、コンロに置いたままフライ返しで奥のほうからコロコロと返してみてください。
レシピを教えてくれたのはこの人!
旅館を起源とするホテル龍名館お茶の水本店(創業1899年)のメインダイニングとして、
和食にお茶の要素を加えることで生まれた「1899」。開業時から料理長として、様々なお茶料理に挑戦し、提供し続けている。
大久保に聞いてみた!「サンドを作ったときに余ってしまう、パンの耳の美味しい食べ方を教えてください」
Q.お店でも玉子サンドを作るときに、パンの耳を切り落としますよね?普段はどうされていますか。パンの耳も美味しく食べられるアレンジを教えてください!
A.パンの耳~!毎回、どうしても出てしまうものですよね。お店では、パンの耳はスタッフのおやつメニューにアレンジしています。一番手軽なのが「パンの耳 揚げパン」です。油で揚げて、砂糖をまぶすだけの簡単なアレンジですが、サクサクとした食感とスティック状になっているのでつまみやすく、スタッフのおやつメニューとして定番です。これは、作ると一瞬でなくなってしまう(笑)。砂糖にきなこを合わせたり、シナモンシュガーにしても美味しいと思います。おつまみとして楽しむなら、塩とコショウ、お好みのスパイスを振っても楽しめると思います。
そのほかは、細かくしてパン粉にしたり、小角に切ってローストしてクルトンにしてサラダにトッピングしたり、バターと砂糖を塗ってラスクにしたり。時間をかけずにささっと作れるアレンジメニューをいろいろと考えながら楽しんでいます。
レストラン1899お茶の水でアフタヌーンティープレートのセイボリーアイテムとして人気の「厚焼き玉子サンド」をおうち専用のアレンジレシピとしてご紹介しました。
お休みの日のブランチにもピッタリですね。抹茶味噌の甘じょっぱさがいいアクセントになり、ワンランク上の和風厚焼き玉子サンドになること間違いなしです!
ちなみに、レストラン1899お茶の水では、11月30日までアフタヌーンティープレートにほうじ茶味噌の玉子サンドをセイボリーメニューとしてご提供中です。
過去ブログでは、ゆで鶏のレシピやお茶漬けレシピも紹介していますので、そちらも是非チェックしてみてください。普段の生活で、お茶料理をもっと気軽に楽しんでもらえると嬉しいです。
本記事のライター:和田麻由