見出し画像

KarXT(Karuna Therapeutics社)

※追記:Karuna Therapeuticsはブリストルに140億ドルで買収されました。


KarXTは、Karuna Therapeuticsが開発した新しいタイプの薬で、統合失調症の治療を目的としています。その作用機序は、抗精神病薬の分野でユニークと評価されています。2023/12の情報です。



作用機序

  1. 二重M1/M4ムスカリン型アセチルコリン受容体アゴニスト:KarXTは、脳内の特定の受容体であるM1およびM4ムスカリン型アセチルコリン受容体を刺激することによって作用します。これらの受容体は、中枢神経系の機能に重要な役割を果たしています。【資料

  2. 中枢神経系への刺激:これらの受容体をターゲットにすることにより、KarXTは主に中枢神経系に影響を及ぼします。この作用は、統合失調症のさまざまな症状、特に陽性症状、陰性症状、認知症状の改善に役立つと考えられています。

  3. ザノメリンとトロスピウム塩酸塩の組み合わせ:KarXTは、ザノメリン(新しいムスカリン受容体アゴニスト)とトロスピウム塩酸塩(ムスカリン受容体アンタゴニスト)の組み合わせです。この組み合わせは、精神病と関連する症状を効果的に治療するために設計されています。ザノメリンは脳のムスカリン受容体を刺激し、トロスピウムはザノメリンによる末梢ムスカリン受容体への副作用を軽減するために使用されます。【Lancet参照】

要するに、KarXTは、特定の脳内受容体をターゲットにして統合失調症に関連するさまざまな症状を緩和するというユニークなアプローチを採用しています。これは、通常ドーパミン受容体を阻害することによって作用する多くの従来の抗精神病薬とは対照的です。

アナリスト評価

ここから先は

1,013字 / 2画像
この記事のみ ¥ 100
期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?