YoYで商談化率を ”120%” 向上させたインサイドセールス組織の裏側
はじめに
こんにちは。
IVRyのインサイドセールスのマネージャーの森本 (@175cm71kg)です。
余談ですが、11月26日(火)に公開されたIVRyのCOOの慎也さん (@shinyakataoka)との対談を収録したPodcastでも「IVRyのインサイドセールス組織の面白さと未来」も含めて、今回のnoteに記載していないような踏み込んだリアルなIVRyの雰囲気について語っているので、こちらも興味があれば聴いていただけると幸いです。 (※20分程度のPodcastです)
さて、今回noteはこのようなラインナップで、構成されています。
2024年のIVRyのインサイドセールスのハイライト
さて、本題に戻りますが、IVRyのインサイドセールスは2023年4Q(10~12月)と比較すると、商談の後工程となる利用開始率や有料化率を下げることなく、商談化率を120%向上させ、さらなる進化を遂げました。
そんなIVRyのインサイドセールス組織の2024年の大きなハイライトとしては、次の4つの取り組みや施策だったな…と回顧しています。
そこで僭越ながら今回は、組織の変遷の振り返りも兼ねて下記のような方々の参考に少しでもなれば…!と思い執筆しました。
📣今回はこんな方におすすめな内容です
「案件管理の漏れにより機会損失が起きている」と感じているインサイドセールスに携わる方
インサイドセールスメンバーの育成において、より効率的な方法を模索されている方
「インサイドセールスの活動手段が電話へ依存しているので、メールマーケティングも活用したい or 業務生産性/商談化率の改善したい」と考えている方
それでは早速、IVRyのインサイドセールス組織の2024年のハイライトを振り返ります。
1. データモニタリング精度の向上
IVRyでは「Looker」というデータプラットフォームを活用して、データモニタリング→担当者別で個別に案件のアラートまで、ワンストップで実施しています。私のボスでもある事業責任者でメルカリ社出身のyuuさんの「測定できないものは、改善できない」という思想から、データアナリストのtsugutoさん、wadaさんという強靭なメンバーを迎え、セールスファネルにおいてもかなり精密にデータを定量化し、整備して下さっています。
あくまで一例となりますが、2つほど運用例をご紹介します。
1-①. 流入したリードの商談転換率を週毎にモニタリング
もう少し具体的に補足すると、各週にて流入したリードが7日以内、14日以内、21日以内、28日以内、56日以内にどれほど商談化しているか?をモニタリングしています。
水色の棒グラフにカーソルを当てると、その週に流入したリードが「どれくらいのスパンで何%まで商談化しているか?」を可視化しています。そして、各メンバーの個別案件を確認し「MQL流入→商談化」までのスパンが遅れていないか?をモニタリングしつつ、アラートが出せるようにしています。また、上記と同じフォーマットで「商談獲得→商談実施」までのファネルも可視化しており「商談のリスケが増えていないか?粗いコミュニケーションで商談を獲得していないか?」を検知できるようにしています。
2-②. 各メンバーの保有リードを流入週別にモニタリング
各週で追客中のリードが何件あり、何件ほど追加で商談化が見込めるか?をモニタリングしています。
ちなみにこちらの画面では下記のような仕様になっています。
SFAにワンクリックで遷移できるリンクが掲載されている
プルダウンメニューを使って、任意の項目で1クリックで絞り込みが可能(例:IS担当者別や流入経路別、確度別など)
そのため各案件の詳細を見て、追客漏れや顧客とのコミュニケーションに改善余地がありそうな案件あれば、必要に応じて個別にアラートを出すという流れで活用しています。
その他、インサイドセールスの領域においては「1件のMQLに対して、何回アクションした時に接触率が最大化されるのか?」という粒度のデータもLookerにて可視化しています。IVRyでは、マーケティングチームのリード獲得施策の新規追加や変化/改善のスピードが速いため、顧客属性が変化した際に、インサイドセールスメンバーの感覚や仮説を尊重しつつも、データを見ながら「どんな連絡手段で、何回のアクションが最適か?」をスピーディーに適応させていく必要があります。
IVRyはSFAも活用しておりますが「IVRyがモニタリングしている数値や項目」と「活用している各種ツールとの兼ね合い」から上記のようなデータを見る際にはLookerを活用しています。
2. インサイドセールス主体でのメールマーケティング
「商談数の増加」への影響度としては「メールマーケティング」が一番効果抜群な取り組みでした。
IVRyでは「不要な営業電話に出なくて済むようにしたい」というきっかけで問い合わせいただくお客様が5割以上を占めます。つまり「電話で営業されるのが嫌だ」と言う顧客が多いというユニークな特性があります。
なので、顧客体験を配慮した上で電話という手段に拘らず、テックタッチ、メールマーケティング、LPO、SMS等あらゆる手段をインサイドセールスの枠を超えて全員野球で検証しながら磨くことで「インサイドセールス1.5人分の商談機会」をテックタッチにて獲得出来るようになりました。
メールマーケティングを駆使して「電話アプローチのみでは接触できない顧客層」「営業時間外に発生するリード」からテックタッチで商談を獲得するという施策内容は、下記に以前記載したnoteを添付いたしますので詳細をご覧ください。
※実際に配信しているメールの文面も掲載しており、3~5分で読めます。
3. 資料請求後のサンクスページへ商談導線を設置
IVRyでは、インサイドセールスという⾔葉や概念に拘らず「商談化や受注を最大化させる」ために、顧客体験を配慮しつつ、営業プロセスにおいてハイタッチ&テックタッチのバランスの最適化に向けて模索し続けています。
2024年は、メールマーケティングを主軸に一定の割合の商談機会をインサイドセールスが介在しない手段で獲得できるようになりましたが、さらに「商談化や受注を最大化させる」ために、あらゆる手段や施策を検証していました。
そうした中で、資料請求後のサンクスページには日程調整用URLをプレーンテキストで表示させているのみだったので「顧客体験をさらに良くするコミュニケーションを取れる余地があるのでは?」という議論になり、immedioのホップアップを表示させてみることにしました。
余談ですが、ホップアップに左側に表示する文面は、過去のメールマーケティング施策の中で反応率が高いメールの文面から一部抜粋して転用しています。
これまでの日程調整ツールでは、再度フォームにて会社名や名前などを入れる必要がありましたが、immedioの場合はフォーム入力は不要で日程選択さえすれば調整完了となるため、顧客からすると入力の手間が省かれます。上記の「ホップアップに掲載する文面」や「ホップアップの設置」はどちらもimmedioの機能で即日に実装・検証できました。
先述の「インサイドセールス主体でのメールマーケティング」と「資料請求サンクスページの商談動線の改善」 を組み合わせることで、結果的に全体の商談獲得数に対して「テックタッチで獲得した商談」の占める割合が、この半年で「2倍以上」に増えました。
4. 平準化チェックポイントの策定
最後は、スキルの平準化&オンボーディング文脈の内容です。
IVRyのインサイドセールス組織ではスキルの平準化を目的として「チェックポイントを全クリアしたら、商談化率:xx%以上を担保できる」というチェックポイントを設けています。内容してはIVRyの歴代インサイドセールス達の営業プロセスや勝ちパターンを動作ベースへ分解し、チェックポイントへ落とし込んでいます。
チェックポイント自体は「コネクト(=接触)」を中間指標とした上で「①コール→コネクトするためのポイント」と「②コネクト→商談化するためのポイント」の2つへ更に分解して設定しています。
新メンバーには、このチェックポイントを入社2ヶ月目までに全クリアしていただけるように逆算したオンボーディングスケジュールを策定しています。結果として、新メンバーが事業計画で定められた商談化率へ到達するまでのスパンは1ヶ月短縮されるようになりました。
実際に入社1ヶ月目にして事業計画で定められた商談化率をクリアした助っ人外国人的ルーキーのまやさんの入社エントリはこちら↓
IVRyで一緒に働きませんか?
IVRyのインサイドセールスでは"インサイドセールスという役割に固執しないカルチャー"なので「メールマーケティング」「リードナーチャリング」「マーケティングチームとのプロジェクト推進」など、”様々な領域のスキルを体得できるので飽きない”という体験価値があります。
実際に下記のような形で、”インサイドセールスだけど、人格の1/3はマーケター”として活躍しているメンバーも複数、在籍しています。
▼その1
Marketingプロジェクト配下にて”検証チャネルでの受注最大化”に挑戦する、大エースのゆいぽんさん
▼その2
入社2ヶ月目から早くもメールマーケティング施策の企画〜効果測定までみっちり携わる坂爪さん
IVRyのインサイドセールスでは「自由と責任」のもと、上記のような挑戦機会を提供しており、インサイドセールスに閉じない形で他のスキルを体得できるので働く上で「飽きない組織」であると思います。
そしてマーケティング活動の成果を最大化し、事業成長にチームとして寄与していくためにまだまだ人手が足りていません!偉大な会社から続々と名の知れた猛者達の転職が相次いでいることから、巷では人材ブラックホールと表現していただくことも増えましたが、まだまだ採用力の弱いスタートアップです。
現在、IVRyのインサイドセールス組織は15名ですが、2025年3月末には25人までの拡大を目指しております。私自身も「労働集約型で疲れる、飽きるインサイドセールス組織にならないようにしたい」という想いで採用活動と組織作りに邁進しています。そんな想いに共感いただける方はぜひ、一度気軽にお話しましょう!
CEO奥西&COO片岡が2024年のIVRyを振り返るウェビナーも予定されております。こちらもぜひご覧ください!
📣最後に、告知事項です
〜告知①:『インサイドセールス 実践の教科書』に掲載いただきます〜
2024年12月18日(水)より、株式会社セールスリクエスト/株式会社才流の共著『インサイドセールス 実践の教科書 立ち上げから組織づくり、事業成長まで』が発売されます。こちらの書籍の「第6章 成果を加速させる拡大期」という章にて、IVRyのインサイドセールス組織を取り上げていただきました。
インサイドセールスを実践している各社の事例や現場ノウハウがわかりやすくまとめられているので、ぜひお読みください。
〜告知②:1月度の『インサイドセールス研究会』に登壇します〜
2025年1月24日に株式会社OPTEMOが主催される「インサイドセールス研究会」に登壇します。『700架電を削減したメールマーケティング~インサイドセールスのための持続可能なハウスリスト活用術~』というテーマでお話しいたします。
今まで公開したnoteの延長戦的な内容から、まだ公にしていないIVRyのインサイドセールス組織での成功事例や勝ちパターンなどの“オフレコ話”も織り交ぜてお話しする予定なので、ご興味ある方はぜひお越しください!