こよみだより *白露*
2021.9.7
二十四節気の「白露(はくろ)」入りです。
夜中に大気が冷えて、朝の草花に露が宿り始めるという頃です。
降りた露は、白く輝くから「白露」。
秋の訪れを、いつくしむかのような表現です。
江戸時代のこよみ便覧には、「陰気やうやく重りて、露凝りて白色となれば也」と記されているそうで、その名の由来が見て取れます。
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今日は、できれば その朝露の写真を添えたかったのですけれど、撮るタイミングに恵まれませんでした。
何かこの季節をあらわすものがないかしらと思っていたところ、ちょうど今朝、庭のシュウメイギク(秋明菊)が一輪 開花しかけていましたので、タイトルにしました。あと数時間で完全に開いてくれそうですが、出勤しなければならないのが ちょっと残念。
でも、これから ぽつぽつと咲き進みそうで、楽しみです。
併せて、花器で愛でた つぼみの写真も添えてみます。一昨日の写真です。
花びらが はじけそうでした。
我が家の小さい庭には、秋の七草のひとつでもある「フジバカマ」もあるのですけれど、そちらの開花は、もう少し先になりそうです。
ところで、その「秋の七草」は、「春の七草」ほど馴染みが無いかもしれません。
春の七草といえば、1月7日に1年の無病息災を祈るとともに、お正月料理で疲れた胃を休めるものとして、「七草粥」の風習が、現在でも続いていますね。
秋の七草は、食するのではなく、美しい花を観てたのしむ、鑑賞のためのもの。
山上憶良が詠んだ2首に由来するそうです。
● 秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り かき数ふれば 七種(ななくさ)の花
ー 秋の野に咲いている草花を指折り数えると 7種類ある ー
● 萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花
ー それは萩(はぎ)の花、尾花(おばな=すすき)、葛(くず)の花、撫子(なでしこ)の花、女郎花(おみなえし)、また藤袴(ふじばかま)、朝貌(あさがお)の花 ー
〔 万葉集 〕
七つ目の「朝貌」については、現在では桔梗(ききょう)が定説とのことですので、秋の七草とは
・萩(ハギ)
・尾花(ススキ)
・葛花(クズ)
・撫子(ナデシコ)
・女郎花(オミナエシ)
・藤袴(フジバカマ)
・桔梗(キキョウ)
の7つとなります。
本当は、それぞれの写真があれば良いのですけれど、私にはとてもご用意ができません…。
そこで、上記それぞれに リンクを置かせて頂きました。
全て、フォローさせて頂いているtakuさまの、素晴らしい草花図鑑からお借りしています。美しい花々のお写真とともに、その情報が掲載されている、とっても貴重な図鑑です。
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もうすぐ訪れる十五夜には、七草の中のススキを(または秋の七草を一緒に)飾るものとされています。
十五夜については、近くなりましたら改めて少し綴ってみたいと思っています。
天高く 馬肥ゆる秋。
ここのところ、「天高く」を感じがたいお天気が続きましたが、そんな日にも “収穫の時季”は実感したいもの。
自然の恵みに感謝しつつ、風味豊かな秋の味覚を楽しみたいと思います。
どうぞ素敵な季節をお過ごしください。
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― おまけ ―
❍ 秋の七草の覚え方はいくつかあるようですが、私は頭文字をつなげる方法で覚えました。(順番は前述と異なります。)
・ オミナエシ
・ ススキ
・ キキョウ
・ ナデシコ
・ フジバカマ
・ クズ
・ ハギ
「オスキナフクハ = お好きな服は」となります。
❍ シュウメイギクには、ミントの花を一緒に添えてみました。花器と陶板は、全て有田焼。↓
最後までご覧くださいまして、ありがとうございました。
― 次の節気は「秋分」です。 ―
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※ 投稿当日の夜に、秋の七草のリンクを一つ、変更いたしました。
それに伴い、リンクの説明にかかる部分についても修正を加えております。
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