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ダンジョン飯にあこがれて 第六回
ダンジョンハック(1993年)
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高解像度のジャケ写が全然見つからない、、、日本での発売は、ちょっと遅れて1995年夏。日本移植を担当したのはJRPGの傑作エメラルド・ドラゴンで知られるライトスタッフ。…何でェ?
1000回遊べるアイ・オブ・ザ・ビホルダー
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どんなリアルタイムダンジョンゲームでも、初見の驚きは一回だけ。どこに隠し扉があり、どれくらい敵が待ち受けていて、どういったアイテムが落ちているか。そういう情報を知ってしまうと、知っている前提でのプレイスタイルに行きついてしまう。そんなのつまらない、記憶を消して予定調和の無いゲームをしたい。ダンジョンハックはそんな欲求に対するひとつの答えになっている。要するにローグライクになったアイ・オブ・ザ・ビホルダーなんですが…余談になるが、既存ゲームルールのランダム生成ダンジョンで無限に遊びてぇなぁ、というエンドユーザーの夢は割とよくあるらしく、以前取り上げたRTCやDSBなどのダンジョンマスタークローンでもランダム生成ダンジョンMODが作られてたりする。
当然キャラメイクはAD&Dスタイル
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しかしAD&Dルールだと…僧侶職技能無しでクリアできるのか?って疑問がある。アイ・オブ・ザ・ビホルダーはお互い不得手な技能をカバーしあうパーティプレイが可能だが、ダンジョンハックは完全にソロプレイ。クリエイト・フード無しに食料の調達は大変だし、戦闘での被ダメは回避困難。シーフやレンジャーでクリアできる気がしない。。。
マニュアル難易度調整でフォローは可能
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その辺の所は開発側も思う所があったのか、EASY~HARDまでのゲーム難易度設定に加えて、細かいパラメーターを手動で調整できる、カスタマイズ機能が取り入れられている。アイテムや食料の出現頻度とか、罠の数だとか。アイ・オブ・ザ・ビホルダー3で登場した水中階の出現可否や、上がったり下りたりしながら踏破する多層構造の迷宮を許すかどうかとか。最初は一番簡単なモードでやるのが吉。
ランダム生成≒単調?!
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現代はまた話が変わってくるとは思うが、1993年レベルの自動生成ルーチンが生み出すダンジョンは、生成パターンの底が浅く、ちょっと遊ぶとダレて来る。潜っても潜っても同じような展開が続き、変化が乏しいな…という気持ちにならざるを得ない。無限に遊べることを謡いながら、割と早く飽きてしまう。そこがやや残念なところではあった。
所詮AIは(上手い)人間のデザインには及ばないか───
アイ・オブ・ザ・ビホルダー外伝だと思えばok
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とは言っても、システム的にはアイ・オブ・ザ・ビホルダーシリーズそのものだし(ソロプレイだという違いはあるが)、魔法の効果や、アイテムの使い方、モンスターの知識などはシリーズで培った知識がそのまま生かせる。3作目までプレイして、まだ物足りない、もっとAD&DルールでリアルタイムダンジョンRPGがやりたい…!という人には要望を満たしていると評価できる。なんなら今steamで買うならアイ・オブ・ザ・ビホルダーよりやりやすいかもしれない。読むべきシナリオがないので英語力が弱くても問題にならないしね。
ダンジョンハックについてはググって最初に目に留まった冒険空間さんの記事が一番参考になりました。というか自分の書いた内容の3倍詳しい