最近の記事

ダンジョン飯にあこがれて 第十二回

風の探索者 大陸編~Eternal Flame(2002年)2002年、世はまさに大MMO時代。先行していたUltima Online、Lineage、Ever Questなどの成功は言うに及ばず、この年立ち上がったファイナルファンタジーXI、ラグナロクオンラインは一般層にネットゲームを認知させた。当時のMMOは月額課金制度が主流。毎月千数百円を巻き上げられ続け、少しでも元を取るためと称して自主的に余暇時間を捧げ続けたユーザーたちに他のゲームに手を出す余裕はほとんど無かった。

    • ダンジョン飯にあこがれて 第十一回

      ブランディッシュシリーズ紹介もいよいよ今回が最後。最終作にして異端作のブランディッシュ4についてである。 ブランディッシュ4(1998年)1998年。Windowsも98の頃になると、DOSベースのものと比べても遜色のないクオリティのゲームが作れる時代になっていた。そこでファルコムが引っ提げてきたのはPC-98時代最後のARPGの強化移植作、ブランディッシュ4。当時のトレンドであったクォータービュー視点を取り入れたARPGである。しかし、機種違いの移植にかかる時間差に守られ

      • ダンジョン飯にあこがれて 第十回

        …今更気づいたんですが、前回からダンジョン飯要素が全くない!次回から復活します。もうしばらくお付き合いください。 ブランディッシュ3 スピリット・オブ・バルカン(1994年)1994年というと、アメリカでは3月にThe Elder Scrolls: Arenaが出ている。FPSの伝説的名作Doomも前年末の登場で、主観でグリグリ回転する3Dダンジョン描画が当たり前の時代が来ていた。要求スペックも爆上がりだが。 日本だと、ブランディッシュ3のリリースされた11月末は、セガサタ

        • ダンジョン飯にあこがれて 第九回

          サムネイルがセンシティブ判定に引っかかる可能性があったので海苔ガードをした。…実際の所、もしもNintendoSwitchで配信するならこのシーンだけはちょっとダメだと思う。がんばれEGG、あなたならなんとかできる…!というわけで前回に引き続きブランディッシュシリーズ回。 ブランディッシュ2 ザ・プラネット・バスター(1993年)ブランディッシュ2がリリースされたのは1993年の春。アメリカでアイ・オブ・ザ・ビホルダー3がリリースされたのとほぼ同時期である。時代的には、前年

          ダンジョン飯にあこがれて 第八回

          洋ゲーレビューのストックが尽きてしまった。しかたがないのでここからはこれまで紹介してきたゲームと同時期の、PC98最高峰のリアルタイムダンジョンRPGを紹介する。本企画は今年プレイした作品…という縛りでやってるのだが、問題ない。ブランディッシュシリーズは毎年必ず遊んでいるので 。 ブランディッシュ(1991年) ブランディッシュは1991年秋のリリースということで…時期的にはアメリカでアイ・オブ・ザ・ビホルダー2がリリースされる少し前ぐらいの時期。洋ゲー通に言わせるとダン

          ダンジョン飯にあこがれて 第八回

          ダンジョン飯にあこがれて 第七回

          Rogue(1980年)/ NetHack(1987年)ついに行き着く所まで行きついてしまった。「ローグライク」というジャンルの語源となっているゲーム、ローグ。そしてその直系の子孫と言われるネットハック。この二つをまとめて取り上げたい。 元々はUNIX用のプログラム 1980年というのは、PC-98もPC-88も初代機がまだ世に出てないくらい昔のこと。大型計算機用に作られた、まさに原初のコンピューターRPGである。 日本ではアスキー社が1986年に国産PC対応の市販パッケ

          ダンジョン飯にあこがれて 第七回

          ダンジョン飯にあこがれて 第六回

          ダンジョンハック(1993年)高解像度のジャケ写が全然見つからない、、、日本での発売は、ちょっと遅れて1995年夏。日本移植を担当したのはJRPGの傑作エメラルド・ドラゴンで知られるライトスタッフ。…何でェ? 1000回遊べるアイ・オブ・ザ・ビホルダー どんなリアルタイムダンジョンゲームでも、初見の驚きは一回だけ。どこに隠し扉があり、どれくらい敵が待ち受けていて、どういったアイテムが落ちているか。そういう情報を知ってしまうと、知っている前提でのプレイスタイルに行きついてし

          ダンジョン飯にあこがれて 第六回

          ダンジョン飯にあこがれて 第五回

          アイ・オブ・ザ・ビホルダーIII アサルト・オン・ミス・ドラナー(1993年)日本版のジャケットはソーサリアンやファンタシースターのパッケージイラストで知られる米田仁士氏の描きおろし。発売は1994年末でした。要求スペックはさらに重くなり、CPU80486以上の環境推奨。Windows3.1(当時の最新ウィンドウズ)が動くようなマシンでないとキツイってことですね。さすが洋ゲー。 まずはキャラクターの転送から 特に大きな問題は無し。なお引き継ぎ無しに新規にビルドすると、最初

          ダンジョン飯にあこがれて 第五回

          ダンジョン飯にあこがれて 第四回

          アイ・オブ・ザ・ビホルダーII ザ・レジェンド・オブ・ダークムーン(1991年)PC-98版のジャケがオリジナルのジャケの左右反転になってるのは何故なんだぜ…? 例によって日本での発売は1993年。時代の流れ…ということでHDDインストール対応、MIDI音源対応、256色表示対応、とおおよそPC-98ゲーっぽくないハイスペック対応をしている。当時のPC/AT互換機だと標準的な要求スペックなのだが、日本で比較的普及してる16ビットの98は追いついてなかった…みたいな… キャ

          ダンジョン飯にあこがれて 第四回

          ダンジョン飯にあこがれて 第三回

          アイ・オブ・ザ・ビホルダー(1991年)日本への移植は翌年1992年。そもそも、コンピューターRPGの進化を遡るとほぼ確実にテーブルトークRPGと呼ばれるジャンルのダンジョンズ&ドラゴンズという作品の名前が出てくる。ダンジョンRPGの祖・ウィザードリィも発端は一人でD&Dできねぇかなぁ、と思った学生が組んだプログラムと言われている。今でも人気のバルダーズ・ゲートシリーズもD&Dをコンピューターで遊べるというのがコンセプト。本作はそんなD&Dの改定ルール「アドバスンドダンジョン

          ダンジョン飯にあこがれて 第三回

          ダンジョン飯にあこがれて 第二回

          続・ダンジョンマスター カオスの逆襲(1989年)こちらも1989年発売はアメリカでの話で、日本では前作と同年の1990年末に移植版が出ていた模様。意外とスパンは短い。PCゲームにたまにある、「前作がなくても遊べるが、前作を持っているとセーブデーターをコンバートして自分の育てたキャラを持ち込める」タイプの続編である。 育てたキャラは持ち込める、しかし… さっそくウッキウキで前作のセーブデーターを読み込む。当初は想定されてなかった続編なのでクリア後の引継ぎデーターなど生成さ

          ダンジョン飯にあこがれて 第二回

          ダンジョン飯にあこがれて 第一回

          ダンジョンマスター(1987年)1987年は本国アメリカでのリリース年。別機種への移植と翻訳という手間が加わって、日本では1990年初頭の登場だったらしい。まぁ、その時点で名作としての地位は不動の物であったことは想像に難くない。刻一刻と時間が流れるリアルタイムの概念をダンジョンRPGに持ち込んだ先駆けとして有名な作品であった。であったんですが… やっぱり、ビジュアル面がチョット弱い 1990年初頭というのは、PC-9801界で言うと三国志IIとかドラゴンスレイヤー英雄伝説

          ダンジョン飯にあこがれて 第一回

          ダンジョン飯にあこがれて

          はじめに今年初めに見たTVアニメシリーズ作品、ダンジョン飯。 いわゆるダンジョンクロウルとか、ハックアンドスラッシュとか呼ばれるジャンルのコンピューターゲームに慣れ親しんできた自分的には、一目で好きになれた作品でした。 何よりも昨今のファンタジーブームにおける通称「なろう系」と呼ばれるファンタジー群が、ドラクエに代表されるJRPGベースの世界観なのに対し、ダンジョン飯はにじみ出る洋ゲーテイスト。こいつァたまらん。作者の久井諒子先生はガチ洋ゲーマーに違いない(実際の所は少し違っ

          ダンジョン飯にあこがれて