ダンジョン飯にあこがれて 第四回
アイ・オブ・ザ・ビホルダーII ザ・レジェンド・オブ・ダークムーン(1991年)
PC-98版のジャケがオリジナルのジャケの左右反転になってるのは何故なんだぜ…?
例によって日本での発売は1993年。時代の流れ…ということでHDDインストール対応、MIDI音源対応、256色表示対応、とおおよそPC-98ゲーっぽくないハイスペック対応をしている。当時のPC/AT互換機だと標準的な要求スペックなのだが、日本で比較的普及してる16ビットの98は追いついてなかった…みたいな…
キャラクターの持ち込m…誰だお前!?
今作も1のセーブデーター持ち込みが可能。早速やってみる。
ミスルン隊長にヒゲが生えた…!
…これは元々前作の顔グラフィックがPC-98の16色表示用にする過程で全面的に書き直しされていて、この画像の場合ヒゲがうまく表現できなかった・あるいは不要な情報として剃り落とされてしまった…ということではないかと思われる。ところが本作では256色環境に対応できたため原作のグラフィックが復活。日本独自のアレンジが仇になってしまった…と。前作からのプレイヤーは少し戸惑うかもしれない。
いままで使えた戦術が使えない…!
ダンジョンマスター型のリアルタイムダンジョンRPGには、その仕様とモンスターAIの不備を突いた必勝の戦術がある。通称「回転攻撃」とも呼ばれ、2×2の広さがある空間において、対面する敵をサイドステップで避け、真っ直ぐ前進してくる敵を側面から殴り、敵が移動を終えこちらを向いたらまたサイドステップ…を繰り返すことで一方的に敵を殴り倒すことができる、というもの。
ところが今作の敵は、眼前のプレイヤーがサイドステップをすると同じようにサイドステップをして追ってくる。
この行動パターンを取られても、追ってきたら一発殴って逆サイドに移動、を繰り返す反復横跳び戦法が有効ではある。しかし操作がモタつくと反撃を食らうリスクが生まれたので、フェアなルール改善かもしれない。楽して勝ちたいと思っている人には改悪だが。
シナリオは分かりやすい
シナリオ面はビックリするくらい改善した。進行不能なエリアは一旦棚上げして行けるエリアを探索し、ユニークアイテムを拾うことで入れるようになる次のエリアを探索していく。NPCとの会話も頻繁に発生し、目的も見失いにくくなっている。トラップは早く正確な操作が要求されるアクション性の高い物、閉じ込められて脱出不能の詰みになるエグい物も散見されるが…
音楽はちょっと残念
一方音楽方面は、日本独自要素が無くなり、本家同様Frank Klepacki氏の楽曲となっている。再生環境としてMIDI音源が選択できるので、そのぶんだけ前作よりリッチな音にはなっているが。いや、総じて悪くないんですよ。前作があまりにも良すぎたってだけで…
総合評価:とても満足
シナリオのボリュームは増え、攻略のし甲斐のあるダンジョン、メリハリの利いた展開、頼りになるパーティ加入NPCキャラ…と、TRPGとリアルタイムダンジョンRPGの融合をハイレベルに昇華させた作品に仕上がっている。キャラクターの引継ぎという要素も良い。前作で丁寧に育成したキャラクターは、今作では無双を約束してくれるだろう。コンシューマでは遂にどの機種にも移植されることが無かったのが惜しまれる。
そして今作のクリアデーターは次作へと引き継ぎ可能だが、果たして三作目がどうだったか…は次回に記したい。
今作において最も参考になった攻略情報は知られざる物語 レトロゲームブログさんでした。多謝。
霊夢と藍で行くEYE OF THE BEHOLDER2シリーズも助かりました
「顔面が違う」そうだね…わかる…