Vol.15 歩いて大阪まで
そういうムカつく行程を経て、十五日目になんとか播州明石まで着いた。
朝にまた船が出発するとなったんやけど、もうこいつらと船旅するのも限界やったし、大阪までどのくらいか聞いたら六十キロくらいていうから
「ほな、それやったらこっから大阪まで歩くわ。ここまでの船代は中津の蔵屋敷まで取りにきて。俺の荷物は船に乗せたままにしとくし」
て言うたんやけど、船頭が全然許してくれんくてさ。
「いやいや、ここで全部払っていけ」と。そんなん言われても、金もないしさ。一応、高めの着物を持っ