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経営組織論と『経営の技法』#236

CHAPTER 10.1:個人の学習
 では、いったい人はどのように学習をしていくのでしょうか。仕事の中ではOJT(On the Job Training) とOff-JT(Off the Job Training)の大きく2つによって学習が行われていると考えられています。OJT は仕事をしながら学ぶことを指し、Off-JTは仕事を離れて研修や自己学習などを通して学ぶことを指します。
 このうちOJTには3つの学習が含まれます。それらは行動や経験からの学習、模倣からの学習、そして指導による学習です。ここでは、仕事において、より重要だとされる行動や経験からの学習と模倣からの学習の2つの学習モデルをもとに個人の学習について考えていきます。
【出展:『初めての経営学 経営組織論』221~222頁(鈴木竜太/東洋経済新報社2018)】

 この「経営組織論」を参考に、『経営の技法』(野村修也・久保利英明・芦原一郎/中央経済社 2019)の観点から、経営組織論を考えてみましょう。

2つの会社組織論の図

1.内部統制(下の正三角形)の問題
 OJTは、日常的にもよく使われる言葉です。
 けれども、仕事を通して学ぶ、という程度の認識の人も多いでしょうから、この機会に詳しく理解しておきましょう。会社組織として、従業員の能力を高める際、仕事を通して能力が高まる、ということになれば、これほどコスパの良いことはないからです。

2.ガバナンス(上の逆三角形)の問題
 投資家である株主から経営者を見た場合、経営者は市場の競争でかつ続け、持続的継続的に儲けてもらうことが必要です。そのためには、競合他社との持続的継続的な競争に負けないように、常に会社組織の能力を向上させなければなりません。
 経営者の資質の問題としても、経営者自身が経営者としての能力を高めることが必要ですから、OJTを分析しておくことは重要です。

3.おわりに
 個人の成長が、組織の成長の最大の要因であることは、組織が人の集まり(による力の総体)であることから当然でしょう。

※ 鈴木竜太教授の名著、「初めての経営学 経営組織論」(東洋経済)が、『経営の技法』『法務の技法』にも該当することを確認しながら、リスクマネージメントの体系的な理解を目指します。
 冒頭の引用は、①『経営組織論』から忠実に引用して出展を明示すること、②引用以外の部分が質量共にこの記事の主要な要素であること、③芦原一郎が一切の文責を負うこと、を条件に、鈴木竜太教授にご了解いただきました。


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