冬の夜のこと
寒くて、切なくて、冷たい。
苦手な季節の到来に、心の準備ができていなかったようだ。
心の不安定さは増すばかりで、昔の自分が顔を覗かせて笑っている。
「また戻っておいでよ、君はこっち側の人だよ」
心が私にそう呟いて手招きをしている。
最近は他人とコミュニケーションを取ることが怖い。
自分の放つ言葉を信用できない。
何気ないことを質問されても、考え過ぎてしまってワンテンポ遅れる言葉たち
早く答えなきゃ、相手の期待に応えられる言葉を用意しなきゃ
考えれば考えるほど、私は寡黙になっていく。
職場の人に、「minaちゃんがいると本当に助かるよ」と言われた。
私は、少しの笑みを浮かべて「嬉しいです」と答える
そしてもらった言葉の裏側を読み取る。もちろんマイナスな方。
一生こうなんだろうなと思う。
だから、頑張ることをやめた。
必要とされないことが何よりも苦しかった。
好きな自分を保つのは難しい。
穏やかな日々を過ごすのはこんなにも難しい。
健康な身体を持っていて、当たり前に朝が来て、
お仕事ができて、好きなものを好きなだけ食べられる。
帰る家があって、温かいお布団で眠ることができる。
これ以上の幸せはきっとないはずなのにね。
私は、どこに向かっているんだろう。
冬は寒くて、切なくて、冷たい。
日が落ちるのが早くて、一日があっという間に感じる。
でも、澄んだ空気と冬にしか見られない色の景色に感動する。
朝、寒くて目が覚める。時計を見るとまだ5時。
あと1時間寝られると呟いて彼にくっついて暖をとる。
心が冷たくなっていたら、温かい飲み物を飲もう。
きっとホッとするから。
そうやって、今までも苦手なことを乗り越えてきたじゃない
いつかまた笑えるようになる。
小さな幸せに目を向けて、
今できる目の前のことをコツコツとやって過ごす。
トゲトゲした私も、不安定な私も、
泣き虫な私も、短気な私も、
全部、全部、受け止めてあげる。
私は私が大好きだと、
胸を張って言える日が来ますように。