年間約2,000人。少年院の子どもたちに、わたしたちができることは?
2019年に少年院に入所した子どもは、全国で1,727人。
早速ですが、少年法改正のニュースを受けてこのテーマをシリーズで書くことにしました。
きっかけは、細かい論点ではなく、本質的なことを考えたいと思ったから。
この原稿を書いているイチゴイニシアチブnote担当は、元法務省の職員で、非行少年に関わる仕事に就いていました。
このニュースに関しては、個々の論点について掘り下げれば掘り下げるほど何が正解なのかわからなくなってしまって、だからこそ多くのみなさんと一緒に考えたくて、そのきっかけとなりそうなデータをインフォグラフィックにしてみることにしました。
とはいえ、私も完全な中立ではなく、ベースにあるのはこんな思いです。
非行少年と呼ばれる子どもたちは、最初から他のお子さんたちと同じスタートラインに立てていたのか?
非行というのは、私たちが地域で見て見ぬふりをしてきたことの現れなのではないか?
少年法について議論するとき、様々な事情を抱えた子どもたちをひとまとめにして捉えてよいのだろうか?
当面はシリーズにしてやってみようと思うので、もっとこんなことが知りたい、こんなデータを見たいなどご要望ありましたら、コメントでお知らせください。
データで見る、少年院の子どもたち。
少年院は法に触れる行為をするなどした少年少女が送られる可能性のある施設です。おおむね12歳から26歳までの方が対象となります。
法務省の最新の統計によると、2019年は、全国で男女合わせて1,727人の入所があったそうです。この子たちについて、修学状況・保護者の状況・障がいの有無についてまとめてみました。
まず、少年院に入った時点で小学校在学中の子が1名、中学校在学中が121名もいました。
10代前半で少年院に入る子がこんなにもいることに驚きなのですが、注目したのは学歴です。
義務教育を終えた子の最終学歴を見てみると、10人に3人が中卒、4人が高校中退者だそうです。
高校が無償化され、全国的な高校進学率は98%を超える中で、少年院の子どもたちだけ見ると高校進学率は74%にまで下がります。
そして高校に進学できても、半数以上が中退。
教育を受ける権利について考えた時、すべてのお子さんが同じスタートラインに立てているのか、疑問が残ります。
次に、ひとり親家庭のお子さんが約半数を占めます。
このデータも、すべてのお子さんが同じスタートラインに立てているのかという疑問につながります。
ひとり親家庭の相対的貧困率は50.8%と、ひとり親世帯の1/2が相対的な貧困の生活水準となっているそうで、親の経済状況によって子どもの育ちが左右される、そんな現状があるように感じます。
最後に、4人に1人に精神障がいが認められます。その約半数が発達障がい、3割が知的障がいです。
このデータは身につまされるデータです。
障がいを含め、「人と違う」ことを「個性」として受け止めるだけの寛容さが、社会に、そして自分にあるのか問われている気がするのです。
学校でも社会でも、人と異なる行動を取る人、集団行動に馴染まない人を"変わった人"だと思ってしまう自分。あるいは、周囲から"変わった人"だと思われないように個性を押し殺す自分。そんな自分の弱さを指摘されている気がします。みなさんはいかがですか?
まとめてみると、
高校をあきらめるのは、自己責任?
ひとり親の大変さ理解してる?
障がいがあってもなくても生きやすい社会になってる?
まとめ
少年院の子どもたちについてデータで見てみました。
データから何を感じるかは人それぞれです。ただ、このデータを難しそうに見えるニュースに興味を持つきっかけにしていただければと。
そして、少年院の子どもたちについて知ることは、わたしたちの社会や地域を見つめ直すきっかけでもあることに気付いてもらえれば。
当面はシリーズにしてやってみようと思うので、もっとこんなことが知りたい、こんなデータを見たいなどご要望ありましたら、コメントでお知らせください。
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