かもしれない弁天【毎週ショートショートnote】
「アナタ、弁天様？」
「さあ？そうかもしれないし、違うかもしれない」
この解答がいけなかった。
この神社にいるのは「かもしれない弁天」だって言われるようになった由来だ。
「もお！どうするんですか！弁天様が私に任せっきりにするからですよ！」
プンプンッと怒っている白蛇は顔を覆っている女性に問いかけた。
「だって…人前苦手だし！想像してたより綺麗じゃないとか言われたくないし」
「いや、誰が見たって美人だよ！」
「嘘！弁天にだって種類があるの！どうせ私は下の下の下」
正直、めんどくせぇなと思う。このネガティブ弁天。
「もお、そんなだから、かもしれない弁天だって」
「いいもん！かもしれないで十分！」
いや、何言ってんだ！
私だって頑張っているのに。
弁天への信仰を止めないように私は女人の姿に化けて今日も彼女のふりをして。
「弁天様？」
「…何よ？」
「あ！かもしれない弁天さんか！痛っ」
そう言えば怒ってくるくせに、もう紳士的に神使を使って！白蛇より。
了
文字数410文字
たらはかに様の企画に参加させていただきました！
弁天様が主役というより、使いの白蛇さんが主役になってしまいました🤭
ネガティブな弁天様もいたっていいよな〜と思いながら書いてみました♡
