23年度 日本のパスポート保有率17%について考えてみた
Henley & Partnersの「The Henley Passport Index」によると、日本のパスポートでビザ申請なしで入国できる国は世界193カ国で、この数値は世界第2位です。
2023年度の日本人のパスポート保有率は17%であり、特にコロナウイルスが終息した現在であっても低水準となっています。
日本人のパスポート保有率、23年は横ばいの17% 再取得の予想に反し 女性の取得割合増加
もともと低かった日本のパスポート保有率が、さらに円安と重なり低下。最近は国内外のフライトの値段も上がってきており、経済的に海外旅行のハードルが上がりました。
このパスポート保有率17%をより掘り下げて考えていきます。
総務省統計局の「人口推計(2023年(令和5年)10月1日現在)」では、同年度の人口は1億2435万2千人と公表されています。つまり、パスポートを持っていない又は期限切れの人の総数は、1億人以上いる(1億2435万2千人×0.83)と言えます。
ちなみに、私が海外に関心を持ち始めた時期は、今から約10年ほど前です。当時は北海道の北星学園に通っており、大学生協でたまたまフィリピンのセブ島留学のチラシを見かけ、説明会に参加してみました。
当時はセブ島に関心が高かったというよりは、何となく海外にも行ってみたいなという気持ちから、2週間のセブ島留学に行きました。
そこから、海外思考が強まり、その後はオーストラリアの語学留学と大学への正規留学、シンガポールとベトナムでの海外就労に至りました。
今では海外滞在歴が8年ほどですが、高校卒業時までは海外に行ってみたいと考えいませんでした。偶然のきっかけで、結果的に複数の国へ海外移住をしたという言い方が正しい気がします。
先述の日本のパスポート保有率の話に戻ります。これについて以前から認知していたものの、その意味について気づきがあったのはごく最近のことです。
昨年からベトナムのハノイに移住をしまして、若いベトナム人は日本やシンガポールなどの先進国に関心を持っている人が多いことに肌間で感じました。例えば、シンガポールとベトナムは共にASEANの加盟国のため、お互いビザ申請なしで入国が可能です。
しかし、ベトナム国籍の人が日本へ旅行に行く際には短期滞在ビザを申請する必要があります。その際に、パスポートやビザ申請書などの基本情報に加えて、銀行残高証明書や雇用証明書などの経済能力を証明する書類が求められます。
また、非正規雇用などで社会保険に加入していないベトナム人は、社会的信用などの理由でより審査に通りにくくなる事も事実です。
ハノイに移住してからこのような事が発生していることを知り、日本のパスポートの有り難みを感じました。
例えば、私は2022年半ばから年末までにかけて、毎月どこかの東南アジアの国や都市を旅行していました。その頃は、コロナウイルスが落ち着き始め、さまざまな東南アジアの国へ行ってみたかったためです。訪れた国は、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナムなどです。
いずれの国に渡航した際にも事前のビザ申請は必要なく、むしろそれが当たり前すぎる状態でした。正直、わざわざ事前に面倒な手続きはしたくないので、もしそれが必要なら旅行を躊躇していました(笑)。
下記の記事で述べられているように、日本のパスポート保有率が低いことは、旅行業界には負の側面も大きいのは事実です。
日本旅行業協会、若者の海外旅行離れは「国の競争力に関わる問題」、国に補助・支援策を要望
特に円安や物価高の影響で、23年度以降はさらに海外旅行へ行き来にくくなりました。しかし、物価高や円安になる前から、海外旅行へ関心がある人は旅行へ行っていたし、関心がない人は行かなかったでしょう。
海外旅行へ関心が高い人は、経済的な負担が高まった現在であっても旅行へ行くと思います。
個人的に日本国内のみの観光でも十分に面白いので、海外旅行へ関心を持った方がいいとも思わないです。
しかし、日本のパスポートを所持しているだけで、ビザ申請なしで入国できる国は世界193カ国もある意味についてはもっと考えるべきでしょう。先ほどのベトナムと日本間の例のように、世界では日本のようにほとんどの国にビザなしで入国するのが一般的でない方が多いです。
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