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日記シリーズ

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「存在しない小説の第一話」をコンセプトに、日記形式で書かれたオムニバス掌編小説。 ひとつひとつの話は独立していて、内容自体のリンクはありません。また内容も本当の日記ではありません。
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#星が瞬くこんな夜に

平成21年8月1日

家と違って冷房の効いている私鉄の車両に揺られながら、溜まったメールを確認するのが毎月1日のぼくの習慣であった。
"電車で通学するようになったから、最低限の緊急連絡用に"との事で、中学校を卒業してから親に持たせてもらったFOMA P903iは、パケ・ホーダイではなかったため、月に数MB使った後はデータ通信が停まり、電話の着信ができるだけの木偶になる。大方、ぼくは月の中頃から誰にもメールを送れず、受信

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