マガジンのカバー画像

ことばたち

75
言葉を綴ります。
運営しているクリエイター

記事一覧

僕以上の嘘つきを見付けておいでよ
きっとそんなのいないだろうけど
笑ってるかい? 泣いてるのかい?
分かんないけどさ
そうだよ 分かんないんだ
これは誰なんだ?
どう生きていけばいい?

とりあえず笑って
とりあえず泣いて
悩んでみたりして
とりあえず選んで
言葉を繋いで
賢いふりして

いつか本当を知るの?
それが何だか分かるの?
僕は僕ということを 信じることができるの?

無題

生きていくために、きっと何かすがるものや、目指すものや、理想や、目的みたいなものが必要で、それがないと死んでしまうから、きっとたぶん必要で、だから私たちは、そういうものを必死で探して、見付からないと絶望して、悲劇のヒロインになってみたりする。
もしかしたらそんなに必死にならなくたって、全然考えなくたっていいことなのかもしれない。
ただ漠然とある不安を打ち消すために、こじつけたり、無理矢理用意したり

もっとみる

Dream

こんなにも気が狂いそうなのに
心臓の音は絶えず鳴り響いていて
そう 私の好きな歌より少しだけ速く
不思議ね そして残酷
世界は美しいって信じていた
信じていたかった
けど現実は脳味噌パイが焼き上がりそう

こんなにも気が狂いそうなのに
心臓の音は絶えず鳴り響いている
私の体は空洞なのかもって思うくらい
よく響いている

不思議ね そして残酷
醒めない夢の中にいるんだわ

泣いていいよ
無様でいいよ
溢れるまま
零せばいいよ
鼻を赤くして
瞼を腫らして
鼻水すすって
声を上げて
そのままでいいよ
我慢しなくていいよ
誰も知らないからね
大人じゃなくていいよ
子供になっていいよ
呑み込まなくていいよ
大丈夫だからね

リボンをほどく様を眺め
ヒューヒューと心の穴を風がゆく
いいえ 私は価値ある人
数える数字は間違えぬよう
振り払え 掻き集めよ
風よ止め 風よ止め

どうやら再び裁判を執り行うらしい。
あの日と異なる議題、裁判員により。
弁護士はいない。いるとしたらば検察官。
過去を完了するための、これは清算作業の一環だ。
何かを終わらせるということは、何かを始められるということ。
”次”が合図を待っている。

笑うと悲しくなるのはなあぜ
見えない誰かに睨まれるのです
無音の怒り 見えない叱責
悲しいや 悲しいや

まぼろし

夢のような現実は
現実なのか
夢なのか
たぶん 私
意識だけが夢の中
体は現実にいて
フワフワしている
ああ これは幻
一つになれない私が
揺られている

無題

冷めた風が吹いている
ここに本物の月はない
造られた光がいくつも笑っている
塀の上の黒猫を
羨ましいと立ち止まる
惨めな夜が更けていく

駆け抜けて
流れていく景色に
季節が溶けてしまうから
今も次も分からない
知らぬ間に巡る四季
幾度となく巡る四季
恐怖するではなく
愛おしみたい

季節と生活

桜の木のつぼみの数を数えてみたり
日陰に咲くたんぽぽを探したり
ひらひらたゆたうちょうちょを追いかけたり
そんなふうに
季節を肌に感じ
どんな空も仰ぎ 見つめ
生きてみたいのです
私の歩幅で歩き
じっくり呼吸をし
生きてみたいのです

無題

君が流した涙なら
誰かがそっと ハンカチで拭ってくれるでしょう
私が流した涙なら
野花がきっと シワシワに枯れてしまうでしょう

風が吹く
揺らぐ
定まらない
この心を置いて どこかに逃げてしまおうか

逃避妄想

月曜日と
火曜日と
水曜日と
木曜日と
金曜日と
会社と会社の人たちと
どこまでも続くマイナス思考
それから山の洗濯物と
シンクを隠す洗い物
昔の思い出や傷痕も
私を憂鬱にするものすべてから逃げ出したい
すべてから
すべてから

「♪ハッピーバースデートゥーユー」だってさ

苦しくなってきたよ
イスに座ろう
よく分からない音楽の流れる側で

さあこれから
一人ぼっちでどこへ行こう
一人ぼっちで何をしよう

外はポカポカいい天気
何をするのも私の自由
あ これが普通の幸せ?
まあちょっと寂しいけどね?