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「じぶん」の「居る場所」をととのえる。耳を澄ませる。心を静かにととのえる。

家族が時々テレビをつける時はあるけれど、自分ではテレビを観ないようになって、もう10年以上になる。新聞も、極力読まない。そんな生活をしていても、ネット社会なので、情報はどんどん入ってくる。その気になって、ネットの社会にアクセスすれば、情報は必要以上にどんどん入ってくる。

最近は「これ以上情報が入ってくるのはしんどいかもなあ」と思うことが増えてきた。ネガティブな情報が多いからかもしれない。先のことが不安になるような、あるいは不安を感じて限界を感じた人のニュースが多いからかもしれない。

何かが変わることがいいことだけれど、よくない慣習がなくなっていくのもいいことだけれど、そういうことが進むスピードよりも「大切な何かが壊されていく」スピードの方が速いのではないか、と感じることが多々ある。それは、人の命、心や体を育んだり守ったりする領域で、特に進んでいると思うのだ。こんなにも世界は色を失ってしまったのか、と思うことがある。こんなにも世界はつまらないものだっただろうか、と。

それでもわたしは生きるのをやめずに、図々しくもここまできてしまった。退職せずに、同じ仕事を続けてきてしまった。そして、いつの間にかいろいろな責任を負っていることに気づいた。自分の辛さばかり口にしていられないような、そんなところにいる。

いろいろ背負っている自分がほっとできるのは、自分の好きなもの、大切なもの、家族の大切なものをきちんと整理した、自宅だけだろうと思う。整った空間で、情報をシャットアウトして、呼吸を整えて、食事と睡眠を優先する。あらゆるものをきちんと循環させる。

これまでは、エネルギーを注ぐ範囲をいかに広くするかを考えていた。でも、もうそれでは本当に必要なところにエネルギーを届けることができないのだと思う。

漠然としか書いていないけれど、要は自分に届けられるすべてのリクエストに応えてはいけない時代だと思う。まずは自分のいるところを。そこを整えるところをしっかりやっていれば、必要なところにエネルギーが波及していく。

情報も然り。広く集めてはいけない。耳を、心を、静かにととのえて、自分のいる場所に、今の自分に必要なものが何かを聞くこと。そうすると、自然に今の自分に必要なことが心に届く。

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