かわいいひとが くれる たからもの
一本逃すと、次がなかなか来ない。それは地方の公共交通機関。
珍しく早めに仕事を終えた私が、高校生の娘を自宅最寄りの駅(最寄りといっても遠い、すごく遠い)まで迎えに行っていたら「駅までの道で落とし物をして、乗り遅れた」という残念なお知らせ。落とし物は見つかったらしいので、よかったけど。
結局、学校の近くまで迎えに行った…家でしたいことあったのに、いつもより帰りが遅くなってしまう。残念だなあ。
娘を車に乗せ、帰りにコンビニに寄った。「お腹空いた」という娘は中華まんを選ぶ。車の中に充満する中華まんの匂い。
「ありがとー。迎えにきてくれて」
「ありがとー。中華まんおいしー」
・・・もぐもぐ もぐもぐ
わかるだろうか、
車内に漂う中華まんのおいしい匂いと、
車内いっぱいの平和な、穏やかな空気
なんかわけのわからない幸せ
我が子が言う「ありがとー」って 不思議とすごく貴重な宝物に感じるのだ。めったに言ってくれないから、とかじゃなくて、なんか 子どもに言われる「ありがとー」って、こっちこそありがとうって思ってしまうのだ。
この日、朝から いろんなことに振り回されてばっかりだったし、この遠距離の迎えだって、「振り回されてる」ことに入らなくもない。
でも、「ありがとー」で 嬉しくなって、その日のいろんなことがどうでもよくなった。たぶん、今日のことを これからの私は また何度も思い出すだろうと思う。