【宝石箱の中身】愛されていた、と思う方が、ある意味幸せなんだろう
本当に勝手な人
あなたには そういう人でいてほしいからって
今まで私を好きだという人は、みんな自分のフィルターを通して、私を見ているだけで、つまり、私のイメージを勝手に作り上げているだけで、本当には 私のことを見ようとはしていなかったんだと思う
あなただけは、私のことを見つけてくれた、ような気がしたのに
そして、困り果てた私を 心から思いやって助けてくれたんだって思っていたのに
いつからか 突き放されるようになってしまった
時々、柔らかい笑顔をむけてきて、こちらが気を許すと、
次の瞬間には、別人のように素っ気なくなってしまう
こっちがそうと気づかない時に、私のことを見ているような、ずるい人だった
お客さんと話してて、ふと振り返ると 優しい顔でこっちを見てたりして、気づいたら 私は 見守られているんだって思いながら 日々を過ごすようになっていた
でも、そういうのが嫌だっていうようなことを言われた、気がする
自分の思うようにやればいいのに、こちらの顔色を伺うようなことをされると戸惑う、と
そういうふうに私のことをしたのは、あなただと思う
なのに
あなたはそのままでいてほしいって
もうこちらのことを気にかけないでほしいって
結局 あなたも他の人と同じ 理想だかなんだか知らないけれど、そっちで作り上げたイメージを押し付けているだけ
一緒に何かをできる、
言葉を交わしながら 何かを作っていけるかもしれないって思ったのは私だけだったんだ
私のことをよくも知らないはずなのに褒めてくれた人なんて、所詮 自分の満たされない思いを他者で満たしたいだけの人なんだなって思った
私にとっての愛は、相手を見て幸せを感じることとは 少し違うみたいだ
同じ空間でいて 違う方を見ているようで、実は それぞれが発するエネルギーがひとつの空間を優しく満たすような、そういうことを実感したいのだった
だから、もっとあなたと話をしたかった