見出し画像

【続】「怪談師」になった教え子

 先日の記事で、「かつての教え子が『怪談師・伊山亮吉』として活躍しており、SNSがきっかけとなって約20年ぶりに再会することができた」ということをご紹介した。

 ちなみに「怪談師」とは、人々が実際に体験した不思議な話や怖い話を収集し、語りとして編集して、イベントや舞台、映像などで発表する人のことである。

 その後、この記事を読んだ伊山亮吉君本人から、「楽しく読ませてもらいましたが、2つの点については事実と異なっています」という主旨の連絡があった。


 1つ目は、
「伊山君は自らの話術を磨くために、五代目・古今亭志ん生をはじめとする昭和の時代に活躍した落語家の噺をCDで何十回、何百回と繰り返し聴いている」
 という内容である。

 これに関して伊山君は、次のように述べている。

・落語は、CDではなくYouTubeで視聴している。
・一つの噺を繰り返して聴くというよりも、広く浅く聴いている。
・圓生師匠の「らくだ」を歯磨きしながら聞いていたら、あまりに面白くて歯磨き粉を吹き出してしまったので、その後は正座をして聴いた。

 ・・・どうやら、私の聞き間違いや早とちりがあったようである。謹んでお詫びをするとともに、記事のほうも修正をしておきたい。

 なお、3番目の「歯磨き」のくだりは面白かったので、修正した記事のなかでも採用させてもらった。


 もう一つは、
「(伊山君は)定期的にガールズバーへ通っている」
「(元・担任からのアドバイスとして)カノジョがいるのかどうかは知らんが、ガールズバーに通うのは、なるべく控えなさい!」
 という内容についてである。

 彼曰く、
「僕がガールズバーに通っていたのは、数年前のこと」
 だそうだ。

 これに関しても、私の聞き間違いや早とちりがあったのかもしれない。彼が語るガールズバーの描写があまりにも鮮明だったので、うっかり『現役かつ常連の客』だと勘違いをしてしまったのだろう。これも謹んでお詫びをしたい。


 ・・・しかし、と思う。本当に私の聞き間違いや早とちりだったのだろうか?

 もしかすると、これはパラレルワールドなのではないだろうか?

 やっぱり居酒屋にいたときの私は、
「伊山君が、定期的にガールズバーへ通っている世界」
 にいたのかもしれない。

 それが、家に帰る途中で、
「伊山君がガールズバーに通っていたのは数年前までだった世界」
 へと迷い込んでしまった可能性もあるのだ。

 そういえば、店を出てから帰宅するまでの記憶は何も残っていない。もしかすると・・・。

 本当のところは、誰にもわからない。伊山君には、いつかこのエピソードを『ガールズバー』というタイトルの怪談にして語ってもらいたいものだ。

いいなと思ったら応援しよう!