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「四季」から「ニ季」へ⁈

 最近、学校関係者から気候変動にまつわる話を聞くことが増えた。

 たとえば、首都圏にある某小学校では、
「今年の夏は、各学年とも2回しか水泳学習ができなかった」
 のだという。

 以前はどの学年も5回程度実施していたので、今年はその半分以下だ。理由は、
「暑すぎて、基準となる『暑さ指数(WBGT)』を超えてしまう日が多かったから」
 だそうだ。

 国や教育委員会では熱中症対策としてこうした基準を設定し、学校現場へ周知をしているのだ。

 かつては、
「気温や水温が低くてプールに入れない」
 ということがよくあった。

 しかし今は、子どもたちの健康や安全のためだとは言え、
「天気が良すぎてプールに入れない」
 という時代なのである。

 また、別の小学校では、
「低学年の生活科で使うドングリの実が集まらなかった」
 ということだ。

 例年だと、この学校の近隣にある公園では、10月中旬から下旬にかけて大量のドングリを収穫することができた。

 しかし今年のドングリは、実が成熟する前にどんどん落ちてしまったのだそうだ。9月になっても厳しい残暑が続いたために、植物の自己防衛反応によって早めに実が落下してしまったらしい。

 10月末になって公園を訪れたときには、未成熟のうえ、すでに表面が傷んだ実しか見つけることができず、いつもの年のように「ドングリの実を使った秋の遊び」をすることが難しかったという。

 このままいくと、日本は春夏秋冬の「四季」がある国ではなく、夏と冬だけの「二季」の国になるのかもしれない。

 そして、それに合わせて学校教育も変わっていく必要があるのだろう。

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