
間もなく「新任教頭」になる貴方へ
正月に届いた年賀状の添え書きのなかに、
「(学校管理職の)昇任試験に合格しました」
「4月から教頭になる予定です」
という内容のものがいくつかあった。
いずれも教員としての実績が十分にある方々なので、きっと管理職になってからもいい仕事をしてくれるに違いない。
・・・それでも、実際に教頭になった直後には、
「こんなはずではなかった」
というリアリティ・ショックを感じる可能性が高いと思う。
もう20年近く前のことになるが、新任の副校長(※)だったときの私もそう感じていた。
※ちなみに、私が勤めていた自治体では教頭のことを副校長と呼んでいる。
なにしろ、学校という同じ空間にいながら、教諭時代とは全く異なる業務を担当することになるのだ。校舎内の巡回、業者や来客との対応、PTAや自治会をはじめとした学校内外の関係者との連絡調整、会計の処理、苦情も含めた電話への応対、そして膨大な量の書類作成・・・。
それは「昇任」というよりも「転職」と呼んだほうが適切かもしれない。
大変残念なことに、教諭時代とのギャップが大きいせいもあってか、新任の教頭が休職をしたり降格を願い出たりするケースも珍しくないのだ。
・・・こうした昇任後のリアリティ・ショックを軽減し、教頭として前向きな気持ちで仕事をしていくためにお薦めの本がある。
中原 淳(立教大学教授)
『駆け出しマネジャーの成長論』 7つの挑戦課題を「科学」する
(中公新書ラクレ)
私が初めてこの本を読んだのは、教頭に「転職」をしてから10年ほど経ってからだったが、読み終わった直後に感じたのは「もっと早くこの本と出会いたかった」ということだった。
「他者を通じて物事を成し遂げる」ための心構えやノウハウ、「年上の部下」との付き合い方など、本書には駆け出しの教頭にとって必要な情報が詰まっているのだ。
この4月に教頭へ昇任する予定だという方はもちろんのこと、興味のある方はぜひ手に取っていただきたい。
今回はテレビ・ショッピングのような内容になってしまったが、かならず役に立つ本だと思う。
※個人の感想です。