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「礼に始まり礼に終わる」(前編)

「礼に始まり礼に終わる」

 これは、武道の精神を体現するものだと言われている。試合では作法を守り、相手への敬意を示すことが何よりも大切だ、ということなのだろう。


 学校、特に小学校の場合には、毎時間の授業も
「礼に始まり礼に終わる」
 ことが多いようだ。

 低学年の場合だと、日直の児童が
「これから、○時間目の授業を始めます」
 と唱え、それに続いて全員が
「は〜じ〜め〜ま〜す」
 と、唱和するのが一般的なのだろう。

 そして、授業が終わるときには、この「終わります」バージョンが繰り返されるのだ。

 日直の児童は、この「開始の儀」と「終了の儀」に際して、クラスの全員が着席して背筋を伸ばしているかどうかを確認するという任務を負っている。

 一人でも守れていない児童がいれば、
「○○さん、姿勢を正してください」
 と、注意をしたり、本人が気づくまで待ったりする。

 このロスタイムが、1分以上になる場合もあるのだ。

 開始時と終了時に1分ずつ、1日あたり5〜6コマのロスタイムを合計すると、合わせて10分以上になる可能性もある。

(つづく)

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