【校長の本音】「私は『働き方改革』が嫌いだ」
私は「働き方改革」が嫌いだ。
もちろん、ウチの職員が長時間勤務をしているのはわかっている。
それを何とかしたいとも思っている。
だが、勤務時間外にも働いてもらわなければ、学校は回らないのだ。
私は「働き方改革」が嫌いだ。
育児や介護で定時退勤をしなければならないという事情は理解している。
けれども、もしも職員全員が定時退勤をしてしまったら、学校は崩壊してしまうだろう。
学校の安定は、時間外勤務によって支えられているのだから。
私は「働き方改革」が嫌いだ。
教務主任は「今年も運動会は午前中だけの開催にしましょう」と言う。
本当にそれでいいのか?
コロナもひと段落したのだから、以前のかたちに戻せばいいではないか。
勉強は苦手でも、運動会では活躍できるという子だっているのだ。
お昼に一家で弁当を食べるのを楽しみにしているご家庭もあるだろう。
地域の自治会長さんたちも、元のような運動会を期待しているのに。
私は「働き方改革」が嫌いだ。
我が家は、妻も教員だ。
だから、家事も育児も分担をしてきた。
交代で保育園の送り迎えもしたし、週に2回は夕飯もつくった。
いろんなことを犠牲にして、仕事と家庭の両立を図ってきたのだ。
それなのに、なぜウチの職員は「できません」と言うのだ?
これでは不公平ではないか。
私は「働き方改革」が嫌いだ。
教育委員会は「業務改善」だの「時間外勤務の縮減」だのと口やかましい。
だが、減らせるものは全部減らし、やれることは全部やった。
これ以上、どうしろと言うのだ?
だったら、もっと人を寄こせ! 余計な調査をするな!
だいたい、本当は「働き方改革」なんて無理だってことを、アンタたちもわかってるんだろう?
子どもが好きで教師になったのではないのか?
そんな働き方で、やりがいはあるのか?
最後にもう一言。
私は「働き方改革」が本当に嫌いだ。
この「校長の本音」はフィクションです。しかし、複数のモデルは存在します。そのうちの一人は私自身です。
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