ここは「パラレルワールド」ですか?
給特法に基づく教職調整額の在り方などについて審議している中央教育審議会「質の高い教師の確保特別部会」が、4月19日に第12回の会議を開いた。
今回の会議では、これまでの検討内容を踏まえた「審議のまとめ」の素案が事務局から示され、その内容について各委員が意見を述べた。
その結果、注目の「教員の処遇改善」については、素案に示されたとおりに、
給特法の教職調整額を「少なくとも10%以上」とする
という方向で決着することが確実となった。
素案では、「教員の業務は自主的で自律的な判断に基づく業務と管理職の指揮命令に基づく業務が混然一体となって行われており、正確に峻別することや、授業準備や教材研究のどこまでが教員としての職務で、どこからが職務ではないのかを精緻に切り分けて考えることは困難である」とし、「労働基準法による一般行政職などと同様の時間外勤務命令を前提とした勤務時間管理を行うことは適当ではない」と結論づけている。
教職調整額の仕組みを維持することは、こうした考え方に基づいているのだ。
今回の会議の内容については、「教育新聞」が4月19日付の記事で紹介をしている(藤井孝良記者)。ぜひ、お読みいただきたい。
また、ライセンスの関係などで「教育新聞」の記事が見られない方は、NHKのWebニュースでも会議の内容を知ることができる。
・・・私はこの会議をオンラインで傍聴したが、「審議のまとめ(素案)」の内容や、それに対する各委員の意見を聞いているうちに、不思議な感覚に陥っていた。
(自分は今、「パラレルワールド」に迷い込んでいるのだろうか?)
(私が知っている学校や教員たちが求めていることは、これではない)
(私が知っている学校や教員たちが抱えている問題は、これでは解決できない)
・・・委員たちの発言の中で私が最も驚いたのは、某委員が発した、
「教師は聖職」
という言葉である。
(「パラレルワールド」に迷い込んだだけではなく、「タイムスリップ」もしたのだろうか?)
もしかしたら、これは私の聞き間違いかもしれない。議事録が公開されたら確認をしてみたいと思う。
議事録の内容が修正されていなければの話だが。