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選挙は「現政権に対する評価」の機会

 先月末の衆議院選挙で、政権与党である自民党と公明党が大幅に議席を減らし、過半数を割り込む結果となった。

 その背景には複数の要因があると考えられるが、やはり裏金問題をはじめとする現政権の「政治とカネ」の問題に対して、多くの有権者が「NO」という意思表示をしたのだといえるだろう。

 また、「103万円の壁」の見直しを公約に掲げた国民民主党は大幅に議席を増やした。これも、現政権に対する不満が得票につながったと見られる。

 今回の衆院選の結果は、
 「現政権に対する評価」
 というかたちで民意が反映されたものだということができるだろう。


 一方、今月上旬に行われた米国大統領選挙は、「空前の大接戦」という下馬票を覆し、トランプ前大統領の圧勝に終わった。

 トランプ氏の過激な物言いや、自国第一主義などを掲げる政策への不安や嫌悪感からか、日本のマスコミではハリス副大統領を推す声のほうが大きかったように思う。

 しかし、今回の大統領選挙が、経済問題、外交問題、移民問題などを巡っての、現在の民主党に対する評価の機会だと考えれば、この選挙結果は驚くに値しないのかもしれない。

 たとえば、現在の民主党・バイデン政権下では、高インフレと経済の停滞が続き、生活必需品の価格上昇が国民の大きな不満を呼んでいた。

 これに対するトランプ氏の批判が、有権者には響いたのだろうと考えられる。外交問題や移民問題などについても同様だ。

 それに対するハリス氏は、トランプ氏に対する批判に重きを置きすぎ、自身の政策やリーダーシップのビジョンが十分に伝わらなかったといわれている。

 言いかえれば、現在の米国が抱える諸問題に対する打開策を示しきれなかったのだ。

 4年に一度の大統領選挙が、
 「現政権に対する評価」
 の機会であり、民意が反映されたものだと考えれば、これは当然の結果なのかもしれない。


 この1か月間に行われた日米の選挙の結果については、人によって様々な思いがあるだろう。私自身、納得できるところもあれば、そうではないところもある。

 だが、少なくとも国政レベルの選挙が、
 「現政権に対する評価」
 というかたちで、民意を反映させる機会として機能している(ように見える)ことは認めていきたいと思う。

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