教師の苦悩
教師の過重労働や教師不足が問題になっているのは日本だけではない。たとえば、韓国でも教師たちは厳しい状況に置かれている。特に韓国の教師たちを悩ませているのは、いわゆる「モンスター・ペアレント」への対応だ。ここ最近だけでも、保護者対応を苦にした教師の自殺が2件発生しているという。
記事によると、2018年から2023年6月までに100人の教師が自殺しており、そのうち57人が小学校の教師だった。
また、児童生徒や保護者が横暴になる背景には、2014年に成立した「児童福祉法」があるとも指摘している。保護者がこの法律を「悪用」して、教師が児童生徒を指導した場合、それを教師による「虐待」だと訴えるケースが続発しているのだ。ちなみに、「児童福祉法」に基づいて「児童虐待」で告発された教師は、自動的に停職処分を受けることになる。
韓国政府は、こうした状況が前政権による「児童生徒の権利」を過剰に強調した結果だと指摘し、「新しいガイドライン」を発表した。
その内容には、
・児童生徒の教室内での携帯電話の使用禁止
・児童生徒の授業妨害の抑制
・保護者の教師面談の予約制の導入
・教師の勤務時間外での保護者との面談の拒否
などが含まれている。また、学校でいじめを行った生徒は、大学入試の内申書の中にいじめの事実が記載されることになった。
だが、これで改善が図られるのか否かは不明である。
そしてこれは、韓国にかぎった話ではないのかもしれない。