買う人≠使う人 という商材のマーケティング(ランドセル、SaaS、お土産)
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以下本編(8月4日の投稿から一部抜粋)
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本日の文責は石井です!連日、日本全国のお菓子を食べ過ぎて完全に太ってきています。
さて、本日は商品開発の話からは少し離れまして、商材ごとに異なってくるマーケティングの話をしたいと思います。死ぬほど大事な話です。セミナーとかで話したら1万円くらい欲しい話。
私が独自に考えていることなので、たぶんあんまり世間にはこのトピック自体が出ていないし、あまり話されることも少ないような話かなと思います。
【ランドセル商材 消費者≠購入者のもの】
ランドセルは、おじいちゃんおばあちゃんが買って孫にあげるものの代表例だと思います。昔は、男は黒色で女は赤色!みたいな感じでしたが、昨今は実に様々なカラーバリエーションと、形も複雑なものが出てきています。ちなみに、フランスでは大人がランドセルを鞄として使うってのが流行ってるとか流行っていないとか。
マーケティング的に重要なポイントはどこかというと、「買う人と使う人が違う」という点です。当たり前ですが、買うのはおじいちゃんおばあちゃんでも、実際にランドセルを使うのは小学校1年生の孫ですね。これ、割と珍しい商材なんです。
例えば、僕が担当していたファブリーズとか、ジョイ(台所洗剤)とかは、基本的には「買った人が使う人」なわけで、めちゃくちゃシンプルなんですよね。「これを使うとこんな課題が解決されますよー」っていう風に伝えれば、それが説得力の高いものであれば消費者が使用シーンを想像出来て、購入に至る訳です。(まぁそれが難しいんですけど)
一方で、ランドセルの場合は、顧客が2人いるようなものです。あなたがランドセル屋さんだった時に、「快適に通学できる」という小学校1年生を主語にしたコミュニケーションにするのか、「あなたの孫も喜ぶこと間違いなし」というプレゼントするおばあちゃんを主語にするのか。実はこれは、そんなに語られることは無いけど難しいテーマです。
ここで顧客が2人いるから顧客を両方に設定したり、もしくは中途半端にいいとこどりしたような商品設計にすると爆死します。味噌ラーメンと醤油ラーメンと豚骨ラーメンが同時に置いてるラーメン屋って美味しいイメージないですよね?つまり、決めなければならない。
正解があるわけではなく、買う人を主語にして成功しているブランドも、使う人を主語にして成功しているブランドもあります。これは、まさにブランドのフィロソフィーが出るポイントと考えています。
【例えばパンパースのケース】
パンパースは赤ちゃん用のおむつですので、当然のように買う人と使う人が異なります。そんなパンパースが一貫しているのは、「赤ちゃんのため」であるということです。つまり、お母さんに対する訴求は一切しないということ。
赤ちゃんの健やかなる生育こそがお母さんの願望であり、パンパースというブランドはそのために存在している。だから、パンパースが発する如何なるメッセージも、赤ちゃんの健やかな生育に寄与するもので無ければならない。分かりやすいし説得力がありますよね。
これ、意外に言うよりもやることってめっちゃ難しいんですよ。例えば、おむつってデカいじゃないですか。かさばりますよね。(だからこそ日用品の中でもEC化率が進んでます)だからこそ、お母さんが日常の買い物の中でおむつを購入して家まで持って帰るのってすごいストレスです。
そんな時に、「めちゃくちゃ軽くて持ち運びやすい」とか、「車輪がついててキャリーケースみたいにガラガラ引いて帰れる」みたいな、大変なお母さんを主語にした商品開発とか、プロモーション開発って、全然あっておかしく無いと思うんです。なんなら、アングルが新しいから、配荷させてもらっているドラッグストアやホームセンターなんかは喜ぶかもしれません。ドラッグストアが担いでくれたら基本的に売れるので、短期的な売上としては上がる可能性大です。
でも、です。それをしないんですね。なぜなら、パンパースは「赤ちゃんの健やかな生育」のためのブランドなのですから、お母さんが家に持って帰りやすいかどうかはブランドのフィロソフィーにそぐわない。時にブランドは、このように、短期的な売上を無視してでもフィロソフィーを守り抜く、というタフな決断をする必要があるのです。(だからこそ、ブランドの信頼と価値が積みあがっていきます)
やることを決めるよりも、やらないことを決める方が難しい、というのはここら辺にあります。
【翻って東京お土産プロジェクト】
さて本日の本題です。お土産も、買う人と食べる人が違いますので、ランドセル商材です。
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