私の所属してた部活動についてわかりやすく解説
高校生だった僕は、毎日毎日……部活に明け暮れていた。
桜散る春の日も、暑い太陽が照りつける夏の日も、人肌恋しくなる秋の日も、吐く息の白い寒い冬の日も……
暗くなるまで白球を追いかける男子生徒、リバウンドを取りに行くあの子。
校舎には全国大会出場の垂幕がかかっていた。
その中に僕の名前はない。
羨ましく思った事は一度もない。
グラウンドに響き渡る声……その声を背中に僕は駐輪場に向かう。
自分1人の戦いだと思った日もある。
仲間の大切さを知ったのも、あの日だった。
キャプテンはいなかった。
何よりも自主性を求められるこの部活で、僕は3年間……あるポジションを全うした。
そう、マネージャー。
自転車に跨り、校門で待つ仲間たちと合流すると駅前の繁華街に向かった。
今日はカラオケ。
マネージャーである僕の仕事は、受付を済ませたり全員に割り勘の料金を正確に伝える事。
特訓と称して居酒屋に飲みに行く日もあった。
もちろん不定期に合宿だってある。
今日はこっちから帰ろうと新しいコースを提案してみたり……
新しい遊びを提案してみたり……
電柱から電柱まで全員のランドセルを持たせたアイデアは経験となって、高校生になってもマネージャーとして遺憾無く発揮された。
僕の部活は……
「帰宅部」
中学から馴染みのある同じ部を選択した。
大人になって
『141ちゃんは部活なにやってたの?』
って聞かれて
『帰宅部のマネージャーしてました』
って返事すると、だいたい面白いって笑ってくれる。
そんな時、僕は思うんだ。
もっと真剣に部活に汗を流す青春を送れば良かったな……って。
だって、今でも帰宅部みたいなもんですから。
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