『原料染め(先染め)』〜染色のタイミング❶〜
洋服がつくられる時にはほぼ必ず『染め』という工程が入りますが染め方や染めるタイミングはそれぞれです。
素材や企画デザインによって染め方も染料もタイミングも変わり、そういう細かいこと言えば『染め』だけでも無限の選択肢です。
今回はその中のタイミングのみの話です。
大っきくわけて『染め』には
というタイミングがあります。
今回はまずは最初の
1、原料染め(分類上は先染め)
についてです。
◉原料染めとは
糸にする前段階(繊維のかたまり、束の段階)で染色します。
特徴)
このミックスの糸を使って布帛の生地にしたり、ニットを編んだりすると当然ミックスの生地やニットができあがります。独特の風合いになりウールなどでは高級感もでます。
(単色の糸染めや反染めだとベタッとした色になりがちなのか特にグレーでは多用されます)
原料もテキスタイルもアイテムもあんまり関係なくあらゆるものでつくられます。定番化しているので日常的に見かけると思います。
ちなみにトップ(スライバー、繊維の束)の状態のウール
伸ばしながら撚りがかかっていきます。
◉原料ぞめの製品
下は原料染めによるミックスの糸を使った製品の具体例です。
(布帛)
サマートロピカル、春夏ウール生地の大定番。
グレーはだいたいmixです。
スーツ、ジャッケット、パンツなんでも使われてます。
メンズだと杢グレーとかトップグレーとか言いがちです。
(ニット)
黄色のシェットランドです。バラケ染め(紡毛の先染め)にあたるかと思います。イエローxグリーンかと思われます。
もともとシェットランドは典型的な天然草木染めセーターの代表で綺麗なシモフリミックスのカラーも特徴の一つです。
(このニットの発色は草木染めかどうか、、わかりません?)
拡大図、色が混ざってるのがわかります。
(ラグラン袖で減らしが入ってます。ニットの特徴の復習です)
(カットソー)
古着のスウェットです。これはブルーベースです。薄い色のスウェットは杢糸がやっぱりいいです。
ラグラン袖付け部の拡大です。あんまりブルー感伝わらないです。ミックス具合は伝わります。
フラットシームミシンです、縫製も別の機会にやりたいと思います。
<まとめ>
次回は糸染めです。