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【妄想ライオンズ95】祝!初サヨナラ!
分厚い梅雨空に覆われたライオンズの打線は、今日も重苦しかった。涌井の制球の良い変化球と、往事を彷彿させるストレートに翻弄され、ランナーを出せども返せない展開は、まるで昨日の続きを見ているよう。
その流れに、少しだけ風穴を開けたのが7回。川越のヒットに代走が長谷川。二死二塁から、源田が、相手の守備位置を見定めて、ガラガラの1−2塁間にしぶとくゴロを転がす。 代走の長谷川は、打った瞬間にすでに、ホームまで走ることを決めていたように、一縷の躊躇もなく高速でホームを駆け抜ける。まるで、WBCの村上のあたりに1塁から走ってきた周東のようなスピードだった。
しかし、梅雨空は停滞前線だ。
8回の裏に、力投をする涌井が、さらにギアを上げて中軸を3人で切って取り流れをドラゴンズに引き寄せる。
9回、先頭がランナーに出て、ラッキーなヒットも味方に、ドラゴンズがしぶとく増田から1点を取る。
やっと取った1点。あと少しというところで失った1点。重たい空気が球場に垂れ込める。
しかし、ライオンズに長らくかかっていた、重い分厚い雲を、長谷川が一瞬で切り裂く。
スライダーを2球見逃した後のストレートを、待っていました!決して悪くないコースに投げ込まれた149kmのストレートを強振すると、打球は低く鋭い弾道で、レフトスタンドへ吸い込まれていく。
彼の劇弾は2度目だ。5月のエスコンフィールドでも、9回2死から、好投の今井の負けを消す劇的な同点弾を田中正義から放っている。
打球の放り込まれたレフトスタンドのライオンズファンが湧き上がり、その熱気が、ライオンズにかかっていた、澱んだ空気を振り払う。今季初。サヨナラ勝ちは、普通の勝ちではない。やはり、いろんな思いを吹っ切ってくれる、爽快な勝ちだ。
この1打が、打線の導火線になるはずだ。明日への導火線になるはずだ!