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【妄想ライオンズ84】無死満塁。平良から海馬神へ

連敗中のライオンズの試合の内容は厳しいものだった。

その連敗ストッパーを託された平良も、決して調子は良くなく、先に点を与えながら、ここぞというところを踏ん張って、リードを保ってきた。

打線も、決定打や繋がりを欠く中、バントでつなぎ、1つ1つの打球に対して貪欲に1つ前の塁を狙い、みんなで2点を、文字通りもぎ取ってきた。

1点リードの7回。100球が近づいていたが、休養十分の平良がもう1回、マウンドに上がる。 が、一人目のツーベースを許してしまい、さらにストライク2から、上手にバントを決められ、ファンブルもしてしまう。そして、動揺もあり次を歩かせてしまい、よもやの無死満塁を招く。

バッターは目下12試合連続ヒット中、完全に復調した昨年の首位打者の松本剛。点差は1点。 ベンチもが、1点を覚悟した守備体制を敷く。
しかし、ここで、平良は、ピッチャーを交代する。
先発の平良から、抑えの海馬神へ。
そう、彼には、明確に、もう一人の彼がいる。
先発としての自分と、絶対的なリリーバーであった自分と。

110球が迫る中、ギアを、リリーバーのそれ、フルマックスにチェンジする。 1点もやらない。1点もやるつもりはない。

初球を150キロを超えるストレートでとる。真ん中付近のそのボールを松本剛は見送る。初球から来る彼が、真ん中付近のストレートを振らない。 2球目の外角低めへのスライダーも振らない。
松本の中に迷いを感じる。 海馬神は勝負の3球目にスライダーを選択する。
外角低めのスライダーを松本は引っ掛ける。弱い打球が海馬神の正面に飛んでくる。 正面のゴロの処理は、意外と難しい。 しかし、フィールディングには定評のある彼は、落ち着いて捌き、ホームヘ。そして、古賀から1塁へ。 日ハムからすれば、まさかのダブルプレー。

完売御礼のベルーナドームが揺れる。
その視線の先で、海馬神が、胸に手を当てる。そして、大きく息を吐く。

最後は粘る谷内をスライダーで仕留め、無死満塁を、0点で切り抜ける。

3塁側のダグアウトに帰る神をスタンディングオベーションが迎える。

苦しいマウンドに、苦しい展開だった。 しかし、結末は最高のフィナーレだった。

まさに、平良劇場。 連敗を止めたライオンズが、GWの反転構成に出る!

#seibulions #西武ライオンズ #平良海馬


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