見出し画像

ぼくオオカミになっちゃった

あるあさ
ぼくはオオカミになってた
ぼくはウサギなのにオオカミになってた
なんどめをこすってもかわらない
かがみにうつるぼくはオオカミだ

ウサギのパンツはちいさすぎる
けど  どうにか はかなくっちゃ
どうにかこうにかみじたくをして
ぼくはいえをでた

しばらくあるいていくと
はとのポッポのすがたがみえた
『ポッポー』
ぼくはおおきなこえでおおきくてをふった
ポッポはぴたりととまった
ポッポはいちにとあとずさりしたかとおもうと
くるりとむきをかえてとびたった

そうだ  ぼくは  オオカミだったんだ

らんぼうものできらわれもののオオカミ
はやくウサギにもどらなきゃ
ここはちえのあるネズミのミーにきいてみよう
なんでもやさんのミーのおみせについたけど
へいてんのかんばんがドアののぶにかかってる

『おかしいな 
         きょうはていきゅうびじゃないはずだけど』
ドアをたたいてみた
ドアはひらかない
『やっぱり  るすか』

みせのなかではミーとポッポがいきをひそめて
みをかくしていました

ぼくはしかななくあるきだした
むらのはずれのおかのうえ
ぼくはだいすきなはなをつむことにした
はなはぼくのこころをうるおしてくれる
でも
はなびらがきづついてしまう
いつもみたいにつもうとしただけなのに
『どうしょう  このまま 
                                         オオカミのままだったら』
ぽた  ぽた   ぽた
なみだがほほをつたいます
ぽつ  ぽつ  ぽつ
あめがふりだした
ぼくはいそでいえにかえった
ぬれたからだをかわかしていると
きゅうにドアがひらいた

『あまやどりさせてよ 』
そういってはいってきたのはブタのブー
『きょうのてんきよほう  はれじゃなかった?』『きょうのてんきよほう みてないんだ   それどころじゃなくてさ』
ブーはだいどころにいって
『ホットミルクつくるね』
『うん  ぼくのぶんもおねがいしていい?』
『わかった』
しばらくしてカップをふたつもってブーがもどってきました
もどってくるなりぶるぶるふるえだしたブー
ウサギのぼくがオオカミのすがたなんだから
びっくりするよね
ぼくはブーのてからカップをとってつくえのうえにおきました
そしてブーのてをとって
『ぼくだよ  ウサギのウルたよ』
つめがブーのてをひっかいた
『たべないで   おねがいたから 』
ぼくはブーのてをはなした
ブーはいちもくさんにげんかんめざして
はしりだした
ブーはそのままネズミのミーのみせまではぜんそくりょく

へいてんのかんばんがぶらさがったドアをちからいっぱいたたきました

『たいへんだ  ウルがオオカミにたべられちゃったよ』
ブーはなきながらボッポとミーにはなしました
『ぼくもあさオオカミにあったんだ』とポッポ
『オオカミがみせのドアをたたいたんだ』とミー

しばらくして おちついたブーはいいました
『でも  こえはウルのこえだった 』
『つめがあたっていたかったけどウルのてだった』

ポッポとミーとブーはウルのいえにむかいました
おそるおそるドアをあけると
オオカミがせをむけてすわっています
ないています
『どうしょう  このまま  オオカミのままだったら』
たしかにウルのこえです
ポッポとミーとブーはウルにはしりよりました
『ウル』
さんにんのこえにウルは
またなみだがあふれてきました

『ぼく  オオカミになってきづいたことがあるんだ
ほんとうはオオカミはらんぼうものじゃないのかも』
そしておかでいつもみたいにはなをつんだけど
はなびらをきづつけてしまったこと
てをつないだりだきしめたいけどするどいつめがじゃますること

『ぼくたち  かんちがいしてるのかも』
『あした  オオカミのすむもりにいってみよ』

つぎのひ
よにんはオオカミのすむもりにやってきました
『オオカミくん』さんにんはかわるかわるよびました
しばらくするとウルのすがたをしたオオカミがこちらにあるいてきました
『ごめんなさい  ぼく  みんなとともだちになりたくて  オオカミにつたわるなんでもかなうまほうのいしをためしてみたんだ』

そのむかし ほかのどうぶつたちとなかよくしたいオオカミがいました
かみさまはオオカミになんでもねがいがかなういしをさずけました
そのいしをつかってオオカミはひつじになりました
ほかのどうぶつたちとなかよくなれたオオカミはとてもよろこびました
しかしあるひおなかをすかせたオオカミにであいたべられてしまいました
たべたオオカミはじぶんのこどもをたべたことをしりみずからいのちをおとしました

『オオカミにうまれたにはいみがある
オオカミとしていきていくこと
そうおしえられていたのに
なのに
たのしそうなみんなのわらいごえのわにぼくも
くわわってみたかったんだ』
『ともだちがほしかったんだ』
『でも  ウサギにかわったら きゅうにこわくなって  なかまにたべられたらどうしよっていえからいっぽもでれなくて』
『とりあけず  ふたりがもとにもどれるようにするにはどうしたらいいだろう』
『そのいしはある?』
『うん』

ポケットからとりだしたいしのつかいかたをきいたミーはしばらくかんがえました
しばらくかんがえたミーは
ウルがそのいしをつかってみてといいました
ウルはオオカミにおしえられたとおりにやってみました
ふたりはもとのすがたにもどることができました

オオカミはオオカミのもりからむらにひっこしてきました
ウル  ポッポ   ミー   ほかのむらびとたちとも
なかよくなれました

かりをしないオオカミはつめをみじかくきりました
『ウル   はなかんむり  つくりにいこうよ』
きょうもあかるくたのしいわらいごえがおかのうえにひびきます

#絵本
#創作ストーリー
#友達
#オオカミ
#ウサギ #うさぎ#兎
#ネズミ #ねずみ#鼠
#ブタ #ぶた#豚
#ハト #ハト#鳩
#森 #村
#仲間
#宿命
#死
















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?