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「自分の本を出す」という夢の解像度を上げてみる

何となく最近、「35までに本を出したい」などと友達に言ったり文字に書いたりしている。自分でも「なんで急に言い出したんだろう」と思っていたので、今日はその深掘りをしようかなと思っている。

きっかけは単純で、棚からぼたもちで本の最後のページに協力者のような形で名前が載ることが決まったから。嬉しいなと思いつつ、本に載るという経験をしてしまうことになったから、次目指すなら表紙に名前か?なんて冗談っぽく考えたのだ。けど、口に出してはいたけれど、別にそれほど現実味を帯びていたわけではなかった。夢とか掲げたことないし、なんか言っとくか、みたいなノリと勢いだった。

でも実際口に出したりしたことで、自然と「本を出す」について意識をするようになった。「本を出す」って夢は、noteを読んでいると結構な人が目指しているような気がする。それをKindleで叶える方法について解説している有料noteのいいねは多かった…...ような気がする。けれど、私含め、なぜそんなに本を出したがるのだろうか。

印税というのは、実は結構シビアらしいというのは、玉村富男さんの「エッセイスト」という本を読んで知った。一年で600万稼ぐには、出版社が初版1万部刷ってくれるような本を、6冊書かないといけないらしい。1冊も書いてない身で恐縮だが、実際今書籍の出版業務に関わっていて、1年で6冊というのがどれほど難しいことかは身に染みている。つまり、お金になるから、夢にしている人はきっといないのだろう。

「ロマン」という言葉が次に浮かんだ。自分の名前が書いた本が店頭に並ぶというのは、物書きのロマンなのかもしれない。けれど、正直それも私はしっくりこない。本屋さんにいけば、所狭しと大量の本が並んでいる。これまで通り、お客さん視点なら何も思わなかったけれど、「もし、私の本が並ぶとしたら」で考えれば、この大量の本の中のたった一種類の本として置かれることに、そこまでロマンはあるのだろうか?と思った。しかも、並べられた本の大半が、1~2週間で消えていくという。…ロマン、あるだろうか?

ここまで考えて、やっぱ「本を出す」という夢は、追い求めるほどじゃない...となればいいのだけれど、でも、まだ何かある気がしている。やっぱり、夢になるだけの他の理由がある気がするのだ。

私が思い浮かべるのは、著者の方にサインを貰った時の体験だ。みかんさんへ、と名前を入れて書いてもらったサインによって、自分だけの特別な一冊になった本。すごく嬉しかった記憶がある。もちろん著者の方のサインが入る前からその本は大好きだったけれど、もっと好きになった。

自分の本にサインを書きたい!ってわけじゃない。本をきっかけに生まれる交流に、すごく価値を感じるのだ。自分が生み出したものに興味を持ってくれている方との話は、すごく楽しいから。特に、熱意持って生み出したものほど、聞かれると嬉しい。それでいうと、本というのはめちゃくちゃ作るのが大変だからこそ、すごく良いかすがいになるのだと思う。

私は結局、人と楽しく交流したいんだな。楽しく話したいんだな。そのために、本を出すのを手段として考えているんだな。今日考えてみて、そんなことがわかった。
けど、今楽しく交流できてないわけじゃない。だから今も幸せ。けど、いろんな楽しみ方があっていいと思う。いろんな方法をやれたほうが、楽しめる幅が広がるから。だから、そんな手段の一つとして、やっぱり本を出す!っていうのもいずれチャレンジしていきたいな。

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みかん
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