【展覧会】アートチーム目[mé]、 半年経ったしネタバレ感想
コロナ禍、美術館に行けないのがツラかった〜
最後に行ったのは昨年の12月、
千葉市美術館で開催された、アートチーム 目[mé]の
『非常に はっきりとわからない』展でした。
とてもおもしろい展覧会で、かつ、
「ネタバレ」要素なども、いろいろ話題になりました。
しかし、みんな空気読んで「ネタバレ」はあまりなかった模様。
改めて「ネタバレ」検索してみたら、その内容や捉え方など興味深い。
半年も経ったけど、半年経ったことだし、
改めてこの展覧会について、私も書いてみます。
*
アートチーム 目[mé]の作風や活動については、
検索したら出てくると思いますので、ここでは解説しません。
(私なりに補足しますと、作品鑑賞時にやってくるのは、
自分の観察眼、固定概念のあり方、思考回路の具合、といったものを、
作品を鏡にして見せられる、揺さぶられる、そんな感覚かなと)
*
以下は、
『非常に はっきりとわからない』展の「ネタバレ」があります。
*
開催時、千葉市美術館のビルは、翌年に向けて改装中らしく、
外壁や建物内は、養生シートや足場などで覆われていました。
1階フロアも一見その様相ですが、そこは作品の一部。
ただし、どこまでが本当に工事なのかは、判然としません。
「改装計画を、展覧会の構想に取り込んだんだな〜」と想像します。
メイン展示は7&8階、エレベーターでまず7階に上がりました。
そこも、養生シートや足場で雑然としており、
作品も布で覆われたものがあったり、梱包があったり。
「はは〜展示準備という展示かな〜」などと考えます。
一通り鑑賞し、エレベーターで次の8階に上がりますが、
扉が開いて一歩出ると。
さっきと全く同じ空間が広がっています。
養生シートや足場、布で覆われた作品や梱包、位置なども同じ。
「え〜全く同じ〜!?
8階に移動したよね?
ん、本当に全く同じ??」
みんな、こう考えます(知らんけどそのはず)。
そしてそのあとの感覚は、
●ナニこれ!?と、思考停止する
●そう来たか〜解るぜ、とほくそ笑む
●怖いとか不安だと感じる
●間違い探しに気がいく
●いろんなことを推察、考察する
(※まれに、本気で工事中と勘違いする?)
などなど、アート鑑賞の知識や経験の違い、
性格や感じ方の違いなどで、捉え方が様々なことが、
いくつかの記事を読んで伺えました。
どれが良い悪いということはないですが、
個人的に理想なのは、「!?」と目いっぱい新鮮に驚いて、
その後に、知識や経験からいろいろ考察できたらいいなと。
もちろん、また7階に降りて「間違い探し」もしました。
この時は友人と3人でしたが、全員の記憶を合体して検証できるレベル、
各自それぞれ欠落があるし、みてるようで、みてないのです…
そのうちに、
作業員(を装う人たち)が展示物を動かし始めます。
これももちろん作品の一部ですが、
「え、じゃあ今あっちのフロアでも、同じことが起きてる?」
と気になって仕方がなくなります。
さっきまでは、全く同じフロアを見て慌ててましたが、
今度は、同時に両方の階に居て確かめたい!
という感情が湧いてきました。
それにしても、みえてる場所以外というのは、ある意味「無」で、
存在しないものになってしまうんですね。
そう考えると、今日はこの状態だけど、昨日は違ったのかも、
毎日違うのかも、時間によっても違うのかも…と、また気になってくる。
まあ実際は、基本の部分は変化はなかったようで、
自分の行った日だけの違った存在、ではなかったことが、
当たり前なのに、妙に安心しました。
私がみていない時にも、他の人がみた話を読んだことで、
ちゃんと同じく存在していた、ようだ、と証明されてホッとしたのでした。
(少し量子力学みたいな話になってしまいましたかね…)
*
ということで、作品と対面しながらも、
結局、それに反応した自分の内面の起伏を、
分析&観察することに終始してしまいました。
最後に、やや付け足し感ありますが、
この展覧会は、地球磁場逆転地層「チバニアン」に着想を得たとのことです。
(千葉県市原市の養老川沿いにある、約77万年前の地層だそうです)
「地球磁場逆転」て何?という部分が咀嚼できないままの鑑賞で、
作品との紐付けもイマイチできてないまま、でしたので、
この点は改めて掘り下げようと思います。