イイノアケミ

フリーランスのグラフィックデザイナー、クリエイター。 アート、音楽、読書、エンタメもろもろ、旅、コミュニケーション、多様性etc. 都内の一軒家の大家もしています。 「こんな気持ちわかるな〜」というようなこと、すくっていきたいです。

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最近の記事

【映画感想】君の名は。

当初、あまりのブームに遠巻きにしか認知していなかった作品ですが、 あらためて観てみると、いろいろ感じる所のある映画でした。 * まずは、運命で結ばれた〈魂の片割〉に出会うストーリー。 女の子と男の子が「入れ替わり」をきっかけに出会い、 やがて村人を救うための同志愛的な、運命共同体のような存在に発展する。 一方で、「彗星接近」というストーリー。 こちらの方は途中まで、奥にある舞台装置みたいな存在だったのが、 ある瞬間から表に躍り出て、全体の物語も俄然広がり、 宇宙の意志、

    • 【展覧会】ピーター・ドイグ 東京国立近代美術館

      前回の鴻池朋子さん作品展の記事の際、 空間と各作品(インスタレーション、絵画、オブジェ、映像等)の リンク感をより強く感じる、言わば、空間まるまるがひとつの作品。 という表現をしましたが、 ピーター・ドイグ展では、絵画作品のみが展示され、 『ロマンティックかつミステリアスな風景を描く』 『画家の中の画家』 と、紹介文でも「画家であること」を謳っています。 多角的な作品で構成された展覧会が大好きですが、 この絵画のみの作品展は、結構久々で清々しかったです。 要は作品の持つ

      • 【展覧会】鴻池朋子『ちゅうがえり』アーティゾン美術館

        新型コロナウィルスの影響でなんだかんだと、 8ヶ月以上も美術館から遠ざかっていましたが、 久々に行ったのが、この作品展でした。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ジャム・セッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子 「鴻池朋子 ちゅうがえり」 アーティゾン美術館 2020年10月25日[日] まで  10:00 - 18:00 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 鴻池さんの作品を鑑賞したのは、今回が初めてです。 全体として、自然と人との様々

        • 有料ライブ配信、今度は演劇 vol.2

          前回に続き、演劇のライブ配信についてです。 それぞれ、観せ方からして対照的なアプローチで、 同じ日に観ることができたのは、とても貴重でした。 今回の1本がこちら。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー シアターコクーン・ライブ配信『プレイタイム』 原作:岸田國士「恋愛恐怖病」ほか 構成・演出:梅田哲也 演出・美術:杉原邦生 出演:森山未來、黒木華、北尾亘 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 冒頭、セット裏の設備やライトや奈落、楽屋フロアなど

          有料ライブ配信、今度は演劇 vol.1

          前回は音楽のライブ配信について書きましたが、 最近、演劇のライブ配信を同日に2本観る機会がありました。 配信として、それぞれ対照的なアプローチで、 とても興味深かったので、これについて書きたいと思います。 まずは、そのうちの1本がこちら。 (もう1本は、また次に) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー CUBE produce PRE AFTER CORONA SHOW presents リーディングアクト 「プラン変更  ~名探偵アラータ探偵、

          有料ライブ配信、今度は演劇 vol.1

          【音楽】有料配信ライブ、初めて参加してみた

          そろそろライブ行きたい〜とは思うものの、 新型コロナウィルスが、一気に終息するとも思えない中、 当面は有料の配信ライブ、増えていくんでしょうね。 でもまあ、そこから創意工夫も出てくるだろうし、 VRとの合体とかコンテンツも進化して、なんだかんだ定着しそう。 やがては、「ナマ」「現地体験」という状態が、 最上級に「贅沢」なコンテンツになってしまう、 なんてこともあるかもしれません。 (ワクチンが有効化するなど、脅威が薄らいで、 「あの頃は大変だったなぁ」と、振り返れる日が

          【音楽】有料配信ライブ、初めて参加してみた

          『野ブタ。』の修二と彰は、やっぱり2人で1つ?

          新型コロナウィルスの影響で、再放送されたドラマのひとつが、 『野ブタ。をプロデュース』。 今回、初めて1話から最終回まで観たのですが、 タイトルから、当然「野ブタこと信子」が成長する話と思いきや、 (それももちろんですが) もう1人の主人公、「修二」の成長物語でもあったんですね。 * 修二という人物は、根は決して悪い子ではないけど、 器用で要領よく、頭の回転はいいけど計算高いイメージ。 他人にどう観られるか気にして、誰にでもいい顔をしてしまい、 結果的に自分の首を締めて

          『野ブタ。』の修二と彰は、やっぱり2人で1つ?

          【映画】監督デヴィッド・リンチと『イレイザーヘッド』

          映画監督で芸術家である、デヴィッド・リンチの、 youtubeチャンネルを発見し、すぐさま登録しました。 映像作品などアップしていますが、 L.A.の「今の天気」をお伝えしてくれる数10秒の動画とかもあって… たまらんな〜この人。 * 実は常々、リンチ氏のことを、 失礼ながら勝手に以下のようなに思っていました。 「あーこの人、表現者になってくれてよかった。 じゃなきゃ、他者もしくは自身に、 狂気が向いて取り返しつかなくなってそう」 (どちらかというと、映画よりは絵画

          【映画】監督デヴィッド・リンチと『イレイザーヘッド』

          【展覧会】アートチーム目[mé]、 半年経ったしネタバレ感想

          コロナ禍、美術館に行けないのがツラかった〜 最後に行ったのは昨年の12月、 千葉市美術館で開催された、アートチーム 目[mé]の 『非常に はっきりとわからない』展でした。 とてもおもしろい展覧会で、かつ、 「ネタバレ」要素なども、いろいろ話題になりました。 しかし、みんな空気読んで「ネタバレ」はあまりなかった模様。 改めて「ネタバレ」検索してみたら、その内容や捉え方など興味深い。 半年も経ったけど、半年経ったことだし、 改めてこの展覧会について、私も書いてみます。 *

          【展覧会】アートチーム目[mé]、 半年経ったしネタバレ感想

          ブログが書けない理由

          前回から間があいてしまいましたが、 その理由はハッキリしていて、 「どうしてもっとスラスラ書けないの〜」 というものです汗 これを書こうと決めた内容を、まとめるのも、 推敲や添削するのも、1〜2日では済まない、時間かかりすぎ。 こうなったら、 「なぜ、書くのにこうも時間がかかるのか」 について、書いてみます。 * ブログを書く前提として、やはり、 ーーーーーーーーーーーーーーーーー ●漫然と取り留めない独り言はやめよう。 ●発端は個人的なことでも、 何がしか気づきが

          ブログが書けない理由

          【読書感想】ロックで「独立」する方法って?

          あの、「ザ・キング・オブ・ロック」 忌野清志郎の本のタイトルが、 「ロックで成功する方法」でなく、 「ロックで独立する方法」ですよ? それってどんな意図なのか? つまりは、 出来るだけすべての行程で、 自分の責任において、納得できる決定をする。 そうして思う通りに音楽をやることが、 清志郎にとって、一般にいう「成功」よりも重要。 「成功」から、更なるものを求めての「独立」。 金銭や名誉といった類いの「成功」なら、 ロックやらなくても手に入るわけで、 兎にも角にもロックに

          【読書感想】ロックで「独立」する方法って?

          美術館で図書館、理想の施設すぎる

          コロナ禍の自粛期間で、辛かったことのひとつは、 美術館と図書館に行けなかったこと。 アート鑑賞や読書、それ以前に、 その空間自体がすばらしくて、そこに居るだけで気持ちが満たされる。 いつでも、気が向いたらブラッと行ける。 それを封じられると、こんなに心って削られるもんなのか~と。 私にとっては、想像以上でした。 そんな気分の中、 「太田市美術館・図書館」の存在を思い出しました。 美術館と図書館が合体しているとは、 なんて理想の施設なんだ、 心のオアシスそのものじゃないか

          美術館で図書館、理想の施設すぎる

          【読書感想】ブックカバーチャレンジ、どうでしたか?

          ブックカバーチャレンジ、 私にもバトンがまわってきました。 誰がどう始めたのか、よく分からないし、 賛否もあるにはあるようですが、 大まかにこんなルール。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ブックカバーチャレンジとは、 読書文化の普及に貢献するため、 好きな本の表紙を7回(7日間)アップ。 そのたびに1名を指名してお招きする。 本の説明はなくてよい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 私に話が来た時点で、 ルールはさまざまにアレンジされていました。 私も、以下のよ

          【読書感想】ブックカバーチャレンジ、どうでしたか?

          【アート】田中功起『誰かのガラクタも、誰かにとっては宝物』

          田中功起というアーティストの映像作品で、 『Someone's junk is someone else's treasure.』 (誰かのガラクタでも、他の誰かにとっては宝物) というものがあります。 その内容は、 アメリカのとあるフリーマーケットにて、 どこにでも落ちているヤシの葉を売り、 そこにやって来た人たちの反応や、やり取りを記録したもの。 この、一見ありきたりで、微妙にありきたりではない、 「?」という状況において、 人それぞれ、咄嗟にいろんな反応が出ます。

          【アート】田中功起『誰かのガラクタも、誰かにとっては宝物』

          無自覚、無意識、積もり積もった心の癖

          コロナの件がきっかけで、 誰かとの価値観のズレや、感覚の距離感が、 浮き彫りになったというケース、聞きますね。 しかし日頃、社会人として一般的な感覚があれば、 人に対して明らかに失礼なこと、嫌がられることを、 自覚的にすることは、そんなにはないと思います。 なので、 無自覚、無意識、積もり積もった心の癖、 そういうものが分かれ目。 日々の行動の中、ジワジワ伝わる違和感や不信感、 これはなかなか要注意点です。 * 例えば、こんな些細な状況。 ―――――――――――――

          無自覚、無意識、積もり積もった心の癖

          ゆるい緊急事態宣言と「サルトルの自由」

          緊急事態宣言が延長されることが決まりました。 まあ、多分みんな「そうだろうな~」と思ってそうですが。 この、外国に比べてゆるい緊急事態宣言と、 ここ数ヶ月の流れを見ていて、 唐突ですが、15歳頃に授業で出た 「サルトルの自由」について思い出しました。 前後に諸々流れはありますが、 授業での話をザクっと抜粋すると、以下のような内容。 「自由であることは責任を伴う」 ↓ 自身の自由意志で選択し、行動する時、 それは周囲や社会に、なにがしか影響するものであり、 巡り巡って自分

          ゆるい緊急事態宣言と「サルトルの自由」