この秋、各地に土偶が集結!開催中の3企画展レポート/岩手、山梨、神奈川、(埼玉・宮崎の土偶展情報も)
秋の行楽シーズンに合わせて、縄文界隈の展覧会が賑わいを見せています。そんな中で『土偶』に注目した企画展も各地で開催中てす。
普段は各地に散らばっている土偶を、一度に見ることのできるチャンスです!土偶ファンのみならず、土偶ってなに?という方にも気軽に楽しめる内容になっています。
ここでは私が実際に足を運んだ各地の『土偶展』をご紹介します。
『はちまんたい市の土偶展』八幡平市博物館
八幡平市の縄文時代が、35点の土偶たちにぎゅーと詰まっています!あまり世に出ることのない雪国の土偶たちを、展覧会でゆっくりとご覧ください。
岩手県八幡平の縄文文化
東北地方北部の岩手県八幡平。秋田県・青森県との県境に位置し、岩手山の名峰や自然美に富んだ景観、スノーリゾートで知られています。
縄文時代には、東北北部(円筒土器文化)と南部(大木式土器文化)の大きな2つの文化圏の間にあり、その両者の特徴を持つ縄文土器が出土する興味深い地域です。市内にはストーンサークルも確認され、企画展ではそこから出土した土偶も紹介されています。
企画展の内容
エントランスからすぐのブースが会場。ここに八幡平市内の遺跡から出土した「土偶35点」を展示がされています。特設のケースの多くは土偶の後ろ姿まで見ることができ、じっくりと観察できるのも魅力です。
展示は約7000年前の縄文時代前期から始まります。八幡平市の最初の土偶は平たい「板状土偶」。手足はなく顔の表現もはっきりしないものです。
次から並ぶケースは、約4000年前の縄文時代後期の個性豊かな土偶たち。
『やまなし土偶探訪』釈迦堂遺跡博物館
ここにくれば、きっと土偶が好きになる⁉
とにかく可愛い顔が大集合です。子どもから大人まで、だれもに笑顔が溢れます。
山梨県の縄文文化
今から約5000年前の縄文時代中期、山梨県~長野県は日本で最も繁栄していました。
個性溢れる土器と共に土偶も多く作られ、日本でも有数の土偶が出土する地域として知られています。企画展では県内各地から約200点の土偶が集まっています。
企画展の内容
山梨土偶は手のひらサイズの小さな土偶たちが多いのが特徴で、それらに同じものは一つもありません。似ているようで、どこか違う…可愛い土偶たちがいっぱいです。
地域ごとに展示されていることで、特徴や魅力をより細かく見比べることができます。
『ドグウ集まれ』あつぎ郷土博物館
神奈川県厚木市には縄文文化がありながら、何故か土偶がほとんど見られません。本展覧会では周辺各地から約120点もの土偶が集まってきています。
神奈川県厚木の縄文文化
厚木市のある神奈川県西部は縄文遺跡が多く見られる地域です。
旧石器時代から人々が住み初め、約5000年前の縄文時代中期頃には多くの集落が作られ、独自の文化と各地との交流による遺物が見られます。
企画展の内容
展覧会には、厚木市のある神奈川県と山梨県、東京都西部を中心としたバラエティーに富んだ土偶たちが集まってきています。
約7000年前に作られた顔のない土偶から、地域の特徴的な土偶、さらに土偶の形を継承した弥生時代の『容器型土偶』まで、時代の経過とともに移り変わる土偶の変遷が見られます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください↓
その他の土偶展情報
埼玉県と九州・宮崎県で開催中の展覧会の情報です。
訪問次第、順次レポートをアップする予定です。
『ミミズク土偶の世界~埼玉のミミズク土偶大集合~』埼玉県・岩槻郷土資料館
「土偶の美」と「縄文の美」~東北日本と九州~ 宮崎県立西都原考古博物館
各地の企画展で、多くの方に土偶を知っていただけたら嬉しいです。
尚、詳しいことは各博物館H.Pでご確認ください。
今後も縄文関連の企画展の情報を随時お知らせする予定です。
最後までお読みくださり有難うございました。
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