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【木の実拾い】ふむふむ、縄文時代って、そうだったんだぁ

実りの秋がやってきました。
縄文時代はクリやクルミ、ドングリなどの秋の味覚「木の実」が主食でした。

その木の実を拾う情景を思い浮かべると、どこか楽し気でのんびりとした牧歌的なイメージが広がりますね。でも実際はかなりの「重労働」であったようです。

当時の【木の実拾い】の様子が、福島県の遺跡から出土した約3000年前の『編みカゴ』から想像できるようです。

4号編組製品 / 南相馬市博物館

このカゴは主に「竹」で編まれていますが、部分的に「クズ」の細い繊維を絡ませてあります。編目の間から、小さな木の実がこぼれ落ちないように工夫されたのかもしれません。

また「側面部と底部では違う編目」になっていて、かなりの重さに耐えられるカゴでした。

下の写真はカゴが出土した時のものです。
ぐっとリアルに感じられますね。

横に倒れたカゴに、クルミがぎっしりと詰まっていたことが良くわかります。
こぼれ落ちたクルミもそのまま残っていました。

出土時写真 / 南相馬市博物館

これは上のカゴを細かく観察し、復元された『編みカゴ』です。
このかごにクルミを満杯にしたところ、その数は680個!重さは5.9㎏!もあったそうです。

4号編組製品の復元品 「クルミかご」/ 南相馬市博物館

皆で拾った木の実をこのような大きな籠に集めて、その後はまた一つ一つ殻剥き…と、食材になるまでは大変の労量がいるようです。

また、以前に見た埼玉の縄文時代のクルミ『鬼くるみ』の展示情報によると、一人一食分に値するクルミ50gの中身をとるには、28個分が必要だそうです!

川口市郷土資料館 企画展より

このカゴいっぱい680個で計算すると24食分。
4人家族だと、僅か6食分にしかなりません。

一年分の主食の確保はなかなか大変!
きっと、何度も何度もかごいっぱいに木の実を集めたのでしょうね。

それにしても、せっかく集めた木の実なのに、どうして土に埋まってしまったのでしょうか?
努力が台無しに…悲しい。

©2024 のんてり
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最後までお読みいただき有難うございました☆彡

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