気になる土偶#113:弥生時代のお墓から/東京国立博物館
土偶と言えば縄文時代ですが、
弥生時代にも僅かながら存在していました。
体が失われ頭部だけなってしまった土偶は、
紀元前2~1世紀・弥生時代中期に作られました。
額に深く刻まれた線や、目の周りの細かい線文様は、入れ墨を表しているようです。
尖った頭は、縄文時代の山形土偶(頭の形が山の形をしている土偶)の名残なのでしょうか。
この土偶は高さが70㎝近くある「人面付壺形土器」と同じ墓から出土しました。
「壺型土器」は亡くなった人を一度土葬し、その後に骨を拾い上げ壺に入れ、再び土の中に埋めたと考えられるものです。
土器の顔は特定の誰かではなく、先祖の霊を表していると考えられています。
「人面付壺形土器」は縄文時代の土偶の流れをくむものだと言われていますが、乳房の表現はなく、安産などの願いをこめた女性のような土偶とは、その意味や使われ方が違うようです。
すで頭部だけになってしまったこの土偶も、シャープな顔立ちからは女性らしさは感じられないようです。
「壺形土器」は大きな一つの墓から複数見つかることも多く、それは一族が結束を高めるためであったと考えられています。
そこへ一緒に埋められた土偶は、先祖の霊を慰めるためや守るために一緒に埋められていたのでしょうか。
あるいは死者の代わりに永遠の命を賜って、移り行く弥生時代を見守っていたのでしょうか。
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