さあ、縄文土偶に会いに行こう!│甲斐の国の”いっちゃん” 編
ようこそ、土偶の世界へ!
縄文時代に作られた土偶の魅力に引き込まれて以来、土偶たちとの出会いを求めてあちらこちらを巡っている、のんてりです。
縄文土偶には、かわいい、面白いから、ちょっと怖いものなど不思議な魅力に富んでいるものがいっぱい。
きっと、だれもに”好き!”が生まれる土偶があるのではと思っています。
縄文時代からのとてつもない長い時を経て、今、この時代に、私達の前に現れた土偶たち。まさに、これは奇跡の出会いではないでしょうか。
私が実際に出会って心がときめいた縄文土偶たちは、有名な土偶もあれば、名もなき土偶もあります。
そんな愛しき土偶をご紹介します。
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今回は、縄文王国山梨県の”いっちゃん”です。
【土偶】いっちゃん
プロフィール
生年月日:縄文時代中期の約5,000年前 長い休眠の後1,983年に目覚める
住所:山梨県甲府市 山梨県立考古博物館
出生地:山梨県笛吹市「一の沢遺跡」
職業:ガイド
仕事内容:博物館の広報及び街中の道案内(キャラクターとして活躍中)
取得資格:重要文化財
アピールポイント
山梨を代表する縄文時代の土偶として、山梨県立考古博物館のキャラクターのモデルとなりました。
長い休眠の間に下半身を欠損し、上半身だけになりましたが、それも私の個性の一つ。
切れ長の眼には漆黒の瞳、弧状の眉毛、高く結った髪形、目の下の線の様なお化粧は、きりりとして意思を強く持った女性に見えると言われます。
重要文化財となった豪華な土器と共に長い時を過ごし、多くの事を学んできました。
縄文時代中期の土偶代表
今の身長は14cmですが、もともと20cm以上はあったと言われています。この大きさは、土偶の中では大型に分類されます。
頭部は中空になっていて、全体がまるで彫刻の様に丁寧に作られています。
土偶は10cm程のものが多く、たいていはバラバラに壊れた状態で見つかっています。上半身だけでもこれほど残っているのは珍しいそうです。
特に大型で丁寧に作られている土偶は少なく、いっちゃんはの土偶の中でもかなり優秀であるといえます。
いっちゃんの発掘された一の沢遺跡からは、住居跡の床面から他に176点もの土器や土偶などが発見されました。いっちゃんはそれらと一緒に国の重要文化財に指定されました。周りのみんなが重要文化財なんて、何てすばらしい環境で長い年月を過ごしてきたのでしょう!
実はいっちゃんの後ろ姿には、秘密があります。
頭の後ろに、ヘビの文様があるのです。
いっちゃんの隣にいる土偶の頭にもヘビがいます。同じようなヘビが、いっちゃんの頭の後ろでとぐろを巻いています。
姉妹のように似ている土偶ですが、いっちゃんとは別の遺跡、山梨県甲州市「安堂寺遺跡」から来ました。
ヘビ、カエル、イノシシ、サンショウウオ
これらは、縄文時代の土器に多く登場する動物文様の一種です。
それぞれに意味があり、ヘビは男性の象徴とされています。
頭に男の人を乗せているとは?果たしてどんな意味があるのでしょうか。
美術館を見渡すと、
気持ちよさそうに居眠りしている土偶がいます。
小さな寝息がㇲゥ‐‐と、今にも聞こえてきそうです。
なぜ、山梨県は縄文王国と言われるの?
山梨県の縄文遺跡は2,000か所以上あり、そのうちの700か所が県の北~北東部に位置する八ヶ岳山麓にあります。
縄文時代中期の約5,000年前ごろは、中部高地に位置する山梨県から長野県一帯が日本で最も人口の多い地域であったことが解っています。
文化的にも最も繁栄していた地域であったことで、多くの遺跡からすばらしい土器や土偶が発見されています。
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いっちゃんと会える山梨県立考古博物館
山梨県立考古博物館は、縄文王国山梨県に相応しく、いっちゃんはじめ多くの重要文化財があり見ごたえ充分な博物館の一つです。
博物館の外にはナンマン像の親子も。
また、甲斐風土記の丘・曽根丘陵公園内にあり、自然の中を散策しながら弥生時代から古墳時代の歴史に親しむことができます。
心地よい季節に,いっちゃんに会いに行きませんか!?
最後まで読んでいただき有難うございました。☆彡
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