今日会いに行きたい!気になる土偶#084千葉市埋蔵文化財調査センター
伝言ゲームを続けた末に…
残ったのは、まん丸の目と口。
不格好だけど、どこか愛らしい…
彼女の正体はなんとミミズク土偶。
この土偶が出土した遺跡は、およそ2000年間に渡って断続的な営みがあったとされる環状集落でした。
竪穴住居がドーナツ状に並び、その内側には祭祀を行う広場、墓、ゴミ捨て場などを配置した効率的な形で、東日本の各地で多くみられた集落です。
ここからは100棟以上の竪穴住居、祭祀にかかわる土偶や石棒、人骨が多数見つかり、当時の活気あるムラの様子を伝えてくれています。
繁栄していたムラでの「祈りの道具」の1つがこの土偶。
思わず、脱力~してしまいそうな緩さですが、
本来はミミズク土偶を作ったと考えられる形です。
今から約4000程前に関東地方で大流行したミミズク土偶は、その名の通りに鳥のミミズクに似ていることから命名されました。
これは模範的とも言える埼玉県のミミズク土偶。
高さは20.5㎝の大型で、その大きさからも祈りのシンボル・女神としての役割を担っていたと考えられるようです。
ところが、今日の土偶とその仲間たちは…
どうしたことか、どこかが、何かが違ってしまった…。
特に今日の土偶は顔のみならず体形も、本来のミミズク土偶とは程遠い形になってしまいました。
土偶の情報が時代をかけて伝わるうちに、徐々に変化してしまったようです。
細部を見ると、ミミズク土偶ではデフォルメされていた胸やお腹の膨らみが、歪みがあるもののしっかりと表現されています。
作り手は生命の誕生を祈る女神を作ったようです。
完璧であろうとなかろうと、ミミズクであろうとなかろうと…ここで暮らす縄文人にとってはどうでもよいことかもしれませんね。
自分たちが愛おしいと思う姿形があること、それだけで充分であったように感じます。
最後までお読みくださり有難うございました☆彡